――年をとると眠りが浅くなって疲れがなかなか抜けない、といった話もありますからね。
堀:ええ。「もう年だからなぁ」と考えて、つい放置してしまう。ただ私の場合、以前は寝起きが悪くなかったのに、朝、身体がダルくてなかなか起きられなくなって。
とにかく、寝ても寝てもダルいんです。これは少し「変だな」と思っていました。
でも、ダルさとか、凝りとか、痛みとか、まるで風邪の初期症状みたいじゃないですか。あと、天候とか気温によっても症状が変わってくるし。
リウマチに関する知識がないと「年のせいかな」「風邪かな」「身体が冷えたのかな」「ここのところ雨続きで、ちょっと気分が沈みがちだったし、運動不足だったかもな」なんて、
つい軽く考えてしまう。
――では、リウマチとわかったとき、ご家族の様子は?
堀:とはいえ、リウマチも放っておくと大変な病気です。私は幸いにも、
比較的早期に発見できたので、骨の変形もほとんど起きていないし、服薬で進行を抑えて、症状を緩和することもできています。それでも、日によっては日常生活に支障をきたすくらいの痛みを感じることがある。少しでも早く治療を始めないと知らぬ間に進行してしまい、身体のあちこちに陰湿な痛みを生じさせる可能性もありますからね。
――痛いこともあるけど、それはそれとして自分なりに対応していくと。
堀:そうですね。私は、自分がガンだとわかったとき、「徹底的に戦おう」「絶対に打ち勝ってやる」という意気込みでガンと向き合いました。でも、リウマチはちょっとニュアンスが違うんです。愛おしい……というと少し奇妙ですけど
「これも自分の身体の個性」と捉えて、根気強く付き合っていくしかない、みたいな感覚でしょうか
。“敵対”ではなく“共存”なんですよね。
もちろん、そんな悠長に構えていられない日もあります。骨の内側を叩かれているような、関節を削られるような、強い痛みを感じることもある。それで動悸がしたり、疲れ切ってしまったり、イライラしたりする場面も少なくありません。そういうときは無理をせず、痛み止めを飲んで、ベッドに横になったりして身体を休める。そうしたことを重ねていくなかで、
自分なりにリウマチとの付き合い方を見つけていくしかない。私はそう考えています。
※本記事では患者さんの体験談として、関節リウマチの症状を含め記載していますが、これらの症状をもって確実に関節リウマチであると判断するものではありません。気になる症状があれば、早めに専門医に相談しましょう。