妻の聖域を夫が侵すとは？　具体的に、以下のような夫の行動が上げられるそうです。 ・普段しない家事や子育てに、急に口を出すようになった ・家のルールを分かっていないのに、分かったフリをする ・妻のリズムを崩すような提案をしてくる 　在宅でのびのび仕事をする夫が、家のことにも目を向けるようになった。その結果、妻への手助けや助言をするものの、それがかえって妻のペースを乱し、負担になっているのです。夫からすれば、「俺が家事をしないと怒るのに、しても怒る…どうしろってんだ？」と感じるわけで、険悪なスパイラルに入ってしまうーー。 「実はこの問題は、定年後や単身赴任から夫が帰ってきた夫婦によく起きる問題と同じです。 それぞれが長年心地よい生活をしていたのに、何らかの理由で夫が家に居ることになる。今まで、妻と子どもだけで生活していたルールややり方を、そんなことはお構い無しでマイペースに夫が関わってくる。 もちろん夫側に悪気はないのですが、乱れた生活の調整をしなければならない妻がだんだんイライラしてくる、という具合です」（秀海さん） 　本来なら、定年後に感じるはずだった問題。今のタイミングで起きるのは、前倒しできてラッキーともいえます。しかし、逃げ場も解決策も見えないイライラには、どう向き合ったら良いのでしょう。 「夫婦それぞれでやるべきことが違います。まず、夫側（イライラさせている側）は、常に妻の考えややり方に配慮することを覚えましょう。この問題の解決には、男性側の取り組む姿勢が大きく関係します」（美紀子さん） 　配慮と言われても、「すでに気を使っているつもりだ！」という男性もいるでしょう。ここでいう配慮とは、妻のテリトリーを理解し、そして詰めすぎないことを指します。 「人にはそれぞれ、大切にしている考え方や価値観の領域があります。男性は仕事や働き方について、女性は育児や家事に関することが多いです。具体的には、子どもの面倒をどう見ていたかや、家事をどんなリズムでやりくりしていたかといった部分です」（美紀子さん） 　妻のテリトリーを無視して夫がいきなり家事をしても、相手にとっては「感謝ではなく侵害」になってしまう場合があります。その結果、妻はイライラし、夫は居心地の悪さを覚え、空気が悪くなるのです。 　これを打破するには、自分ルールにこだわる妻の側も、態度を変えるべきだといいます。