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宇垣美里「ふつう、って何だろうか?」/映画『まともじゃないのは君も一緒』

 元TBSアナウンサーの宇垣美里さん。大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。
宇垣美里さん

撮影/中村和孝

 そんな宇垣さんが公開中の映画『まともじゃないのは君も一緒』についての思いを綴ります。
映画『まともじゃないのは君も一緒』

映画『まともじゃないのは君も一緒』

●作品あらすじ:成田凌演じる数学一筋〈コミュニケーション能力ゼロ〉の予備校講師・大野と、清原果耶演じる知識ばかりで〈恋愛経験ゼロ〉の香住のラブストーリー。  予備校講師・大野は普通の結婚を夢見るが、普通がなんだかわからない。その前に現れたのが、自分は恋愛上級者と思い込む香住。  経験はないが恋愛雑学だけは豊富な香住は、大野に「もうちょっと普通に会話できたらモテるよ」と、あれやこれやと恋愛指南をすることに。
映画『まともじゃないのは君も一緒』

『まともじゃないのは君も一緒』より

 香住は大野を利用して、憧れの存在である実業家・宮本(小泉孝太郎)の婚約者・美奈子(泉里香)にアプローチさせ、破局させる作戦を思いつきます。  少しずつ成長し普通の会話ができるようになっていく大野の姿に、不思議な感情を抱く香住。二人の心がかすかに揺らぎ始めた時、事態は思わぬ方向へ――。  全く噛み合わない二人が繰り広げる “普通じゃない”ラブストーリーを宇垣美里さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣さんの寄稿)

噛み合わない会話のズレに笑いながら、「ふつう」の窮屈さに気づかされる

映画『まともじゃないのは君も一緒』

『まともじゃないのは君も一緒』より

 ふつう、って何だろうか? ふつうにしていなさい、ふつうわかるだろ、ふつうのことだよ、ふつうじゃないね……。内容は曖昧(あいまい)でわかりにくいのに、どこか理解できないこちらを責めるようなニュアンスを感じるのはなぜなんだろう。考えれば考えるほど、ふつうって不自由だし都合がいいし退屈だし窮屈で、なんだか呪いみたい。ほんと、作中で登場人物が言う通り、共通認識であるらしい“ふつう”を定量化してもらいたいものだ。  数学オタクの予備校講師・大野と何事も斜めに見る女子高生・香住は、ふつうになって結婚できるようになるため、心酔する実業家の結婚を阻止するため、それぞれの目的のために手を組むことに。  2人のどこまでも噛み合わないハイテンポな会話とくるくる変わる表情に、気づけば何度も声を上げて笑ってしまった。これこそ映画館で客席一体となって笑いながら見るのが醍醐味の作品だろう。大野の個性的な笑い方、浮世離れした様子が絶妙で、ああいう“なーんか奇妙な人”っているよなあ……と思わず納得。
映画『まともじゃないのは君も一緒』

『まともじゃないのは君も一緒』より

 ふつうがわからない人とふつうをわかったつもりになっている人が、ぶつかりながら成長し、もがきながらも不器用に人と向き合っていく姿に、あなたもあなたのやり方でいいんだよって優しく背中を押してもらえたような気がした。  きっと人の数だけふつうはあって、それぞれにふつうの形は違うんだと思う。でも他人のふつうを認めて、尊重して、共存するような、そんな大きなふつうが当たり前の社会になればいいのに。私はデートであなたがいつも行ってる定食屋、行きたいよ。それも、ふつう、だよね。 まともじゃないのは君も一緒』 ’21年/日本/1時間38分 監督/前田弘二 出演/成田凌、清原果耶 配給/エイベックス・ピクチャーズ ©2020「まともじゃないのは君も一緒」製作委員会 <文/宇垣美里> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。
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