コロナ社の手がけるエコキュートは、今年で2001年の販売開始から20年を迎えます。その開発秘話について、同社の広報室部長・杉本昌義さんに聞きました。
「開発にかかったのは、販売開始までの1年ほどでした。もともと、それ以前に電力会社から『電気を活用した給湯器を開発できないか』と提案されて研究は続けており、実際の製品開発は、自動車部品メーカーであるデンソーと共同で行いました。通常の製品と比べると、開発期間がだいぶ短かったのは苦労した点です。二社間で進めるために、コロナ本社のある新潟県とデンソーが本社を構える愛知県をそれぞれの社員が行き来し、多くの社員が関わるほどの一大プロジェクトでした」(杉本さん)
ここ数年は、政府による省エネルギー推進の流れを受けて、住宅設備業界で関心の高まっているエコキュート。2020年からは「つぎの快適を作ろう。CORONA」をキャッチコピーとして、品質や機能などの向上に務めているといいます。

2020年6月13日「新潟日報」に掲載されたメッセージ広告
そして、コロナ社といえば気になる話題がもう一つ。今なお収束の兆しがみえない新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年6月には、新潟日報に掲載された広告「キミのじまんのかぞくは、コロナのじまんのしゃいんです」も注目されました。
「正式名称の『COVID-19』ではなく“コロナ”の略称が世間的に先行する中で、社員の子どもたちが落ち込んでいると聞いた代表取締役・小林一芳の一存で出稿を決めました。
そもそもの社名の由来は太陽の『コロナ』であり、生命の根源を表しています。世間の声にひるむことなく頑張ってほしいというメッセージで、うつむきがちだった社員たちも前を向いて仕事へ取り組めるようになったと思います」(杉本さん)
省エネにも役立つ家庭用の電気給湯器をはじめ、私たちの暮らしを身近に支えてくれているコロナ社。今回、メインで取り上げたエコキュートはもちろん、その背景にある思いも含めて、検討してみるのもよいかもしれません。
<取材・文/カネコシュウヘイ>