続いては、広告代理店に勤めるN香さん(39歳・仮名)のやらかし話。酒豪であるN香さんは、仕事で飲んでもほとんど荒れなかったのですが、今でも青くなるやらかし経験が2度ほどあるそうです。
ひとつは、気難しいことで知られる、40代の取引先・山本さん(仮名)と飲んだとき。もちろんコロナ禍の前の話です。彼も大変な酒好きで、もう8年ぐらい仕事付き合いがある相手でした。
「仕事仲間と銀座で2軒行ったあと、『もう1軒行こう!』と2人でバーに向かったんですね。2人とも酔っ払ってたんで、手をつないで勢いよく振りながら、外堀通りを渡ったのを覚えてます。で、行きつけのバーに入ったあと、
なんとなくイチャこいて、チューとかもしちゃったんですが…。
その瞬間、山本さんが急に静かになって、じとっと私を見たんです。目がすわってた。で、
『あんた誰?』って聞いてきたんですよ。えっ、8年も担当してるのに? 名前忘れたの? 『えっと、こういう者です』と名刺を渡したら、山本さんはそのまま寝てしまいました。
その後、うっかりチューしたことも全く忘れてたみたいで、仕事に影響ありませんでした。山本さんが酒乱でよかったです…」
もう1件も、大物クライアントと飲んだ時のことです。
「仕事の打ち上げで、新宿の居酒屋の座敷で飲んでました。5人ぐらいいたんですが、全員酒好きなので、最後は無礼講になってめちゃめちゃ。で、翌日、後輩が『昨日の写真です』ってスマホを見せてくれたんです。
ギョッとしました! なぜか、
クライアントおじさまが、座敷で私に土下座してるんですよ。え、なんで? 何が起こったの? 全く記憶がなくて…」
青くなって「昨日は失礼しました」と曖昧にメールしたところ、クライアントも記憶を失っていたらしく、何事もなくすんだそうです。
どちらの件も、お互い記憶が飛んでいたからよかったものの、酒で仕事を失わないようくれぐれも注意ですね。
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人間関係でやらかした話―
<文&イラスト/鈴木詩子、女子SPA!編集部>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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