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「俺の姓がそんなに嫌なの?」と夫。仕事で旧姓を使えなかった女性の決断

 現在の日本では、結婚の際に夫婦のどちらか一方が姓を変えることが民法で定められています。つまり、「夫婦で同じ姓になる」のか、「夫婦が別々の姓のままでいる」のか、選択の余地はありません。これは戸籍上のことだけに限らず、職場でも通称としての旧姓使用をできないケースがあります。
婚姻届

写真はイメージです(以下同じ)

 こ内閣府男女共同参画局の「旧姓使用の現状と課題に関する調査報告書」(平成28年/4,695社が回答)によると、「これまでに旧姓使用を検討したことはなく、旧姓使用も認めていない」企業は30.6%。  そんな中、転職先の職場で旧姓を使用できず、思い悩んだ末に書類上の離婚を選んだと話すのは、会社員の水松ゆりさん(39歳・仮名)。その詳しい経緯と胸のうちを聞きました。 【参考記事】⇒「夫婦別姓は子供がかわいそう」の根拠は何?別姓にしてよかったママの胸中

転職したら突然「旧姓」が使えなくなった

 水松さんは10年前に結婚。転職を機に当時の夫と書類上の離婚をし、現在は「事実婚」という形で小学生の子どもと3人で暮らしをしています。離婚のきっかけになったのは「転職後に旧姓を名乗れなくなったこと」でした。(以下、「」内コメントすべて水松さん) 「結婚後、戸籍上は夫の姓になりましたが、当時の職場では旧姓を使い続けました。それまで取引先の人たちとは『水松』という姓で信頼関係を築いてきたからです。  結婚した時、婚姻届で夫の姓を選ぶことに違和感はありましたが、その後の生活でも旧姓で名乗ることができていたので不便を感じることはありませんでした」  こう語る水松さんに転機が訪れたのは、4年前。転職をした先の会社では、旧姓を名乗ることができませんでした。近年、職場で旧姓を「通称」として使用を認める会社が増加する一方で、戸籍上の名前を使うことが定められている職場も少なくありません。 「取引先の中には、前の会社で『水松』の姓でお世話になった人もいます。仕事では旧姓を使いたいと人事部に何度もかけ合いました」

社員数人で人事部にかけあったけれど

 社内には他にも、旧姓を通称として使用することを望む女性が複数いました。彼女たちと連帯して人事部に旧姓の通称使用を求めたこともあったそうです。 職場 名前「今の会社では、在職中に結婚をして姓が変わった場合に限って、そのまま旧姓を使うことが許容されています。中には日本人と結婚した後に転職してきた外国人女性もいて、彼女たちはそもそも改姓をしていないから、旧姓を名乗ることができています。  人事部には、姓が変わることで前職のキャリアや、取引先との信頼関係が継承されない可能性があることを伝え、『旧姓を通称として利用したい』と要望を出しました。  その要望は受理してもらったのですが、議論は先送りされました。古い体質の会社なので、中には『夫の姓を名乗ることになぜ不都合があるのかわからない』というリアクションもありました」
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「そんなに俺の姓がいやなの?」と言う夫
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