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「俺の姓がそんなに嫌なの?」と夫。仕事で旧姓を使えなかった女性の決断

「法律上の夫婦」しか解決できないことも起こりうる

 夫婦が経済的に自立している現在、事実婚であることに不都合は感じていないという水松さん。唯一不安なのが、「法律上の夫婦」でなければ解決できない問題に直面した場合です。 病院「例えば夫婦の一方に手術が必要となり、家族の同意が必要なとき、事実婚のパートナーでは認められないことがあるかもしれません。現在、住民票の続柄欄には『妻(未届)』と表記されています。でもことの重大さ次第では、もう一度婚姻届を提出して『妻』の形に戻すことも考える必要があります」  現在では医療行為に家族の同意が必要になった場合、事実婚のパートナーの同意が許容されるかどうかは、医療機関の裁量によるところも大きいようです。この他に、パートナーの死後の相続権の問題なども指摘されています。 「選択的夫婦別姓」は、「同姓」も「別姓」も選ぶことができる制度。反対派からは、「別姓にすると家族の一体感が失われ、子どもの福祉に悪影響」という声があがっています。ですが家族が多様化している今、変わらない制度によって不都合を感じている人たちも確実にいることを、見過ごさずにいたいと思うのです。 参考:内閣府男女共同参画局「旧姓使用の現状と課題に関する調査報告書」(平成28年) <取材・文/北川和子> 【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
北川和子
ライター/コラムニスト。商社の営業職、専業主婦を経てライターに。男女の働き方、家族問題、地域社会などをテーマに執筆活動を行う。
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