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“車いすでJRに乗車拒否された”発言に賛否。車いすユーザーの意見を聞いた

無人駅の増加が大きな負担に

 無人駅の増加も問題になっています。  現在日本は約5割の駅で無人化されており(2020年3月時点 国土交通省の集計による)、事前の連絡が必要になるなどアテンドを必要とする方たちにとって大きな負担となっています。2020年9月には、車椅子の利用者が「無人駅で乗車する際の介助に予約が必要なのは差別だ」としてJR九州を相手に訴訟が起こし、現在係争中です。  無人化は経営上の判断ではあると思いますが、実施する際に利用者の利便性を考えたのかは疑問です。

「大人しく従順であれ」障害のある人への無言の圧力

 バリアフリーを推進するのに、健常者が求められているのは「心やさしさ、思いやり」であることに対し、車いすユーザーで建築家の元東洋大学教授・川内美彦さんは異議をとなえています。  駅のエレベータを必要な人に譲る際に「優しい心遣いを」、駐車場の優先スペースには「思いやりの心で協力を」などとあり、「すべての例が、説明をせずに感情に訴えている」と著書『尊厳なきバリアフリー』で指摘しています。
川内美彦『尊厳なきバリアフリー』現代書館

川内美彦『尊厳なきバリアフリー』現代書館

<そしてそれは障害のある人に「心」「やさしさ」「思いやり」の対象として「大人しく従順であれ」という無言の圧力を加えているのだ。(中略)自己主張せず、いつもにこにこしていて、人に好かれる方が生きやすいとしたら、それは社会が障害のある人を選り好みしているということであり、権利や平等といった考え方とはまったく異なるものである>(川内美彦『尊厳なきバリアフリー』現代書館より)  Twitterでは、伊是名さんに対し「感謝の気持ちが足りない」という批判も多いです。それは川内美彦さんが指摘するような、障害がある人への先入観から発せられてはいないでしょうか。
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当事者でもわかれる賛否
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