Human

「産むべきという“圧”がしんどい」と感じたら。自分の思い込みを捨てる時かも

子を持たない生き方に対して、少しずつ見方が変わってきた

 今回「子を持つ人生、持たない人生」というテーマで私自身考えを整理する中で、まだまだ自分の中にも“呪い”があることに気付かされました。この呪いは、出産適齢期には焦りになり、それを過ぎて達成できないと罪悪感みたいなものに変わることが、話を聞く中でよく理解できました。 女性 友情「社会としては、できるだけ産んで欲しいし働いても欲しいという実情は理解できますし、今後もそこは変わらないと思います。もちろん、子どものいる人が社会的な保障を受け、尊重されることは大切なことです。でも、子どものいない人には“多様性を大事に”といった耳ざわりのいい言葉が聞こえてくるだけで、実際は蚊帳(かや)の外に置かれてしまうことが多い。この辺りも私たちが生きづらさを感じる部分です。  ただ、8年こうした活動をしていると、ゆっくりと一歩ずつではありますが、子を持たない生き方も着目され始めたような感覚があります。だからこそ、これからも声を発し続けるのは大事だなと思います」

「違う」をフラットに受け入れられる人でいたい

「みんなちがって、みんないい」  この言葉をつづったのは、詩人、金子みすゞさん(1903-1930年)です。
金子みすゞ

『没後80年 金子みすゞ―みんなちがって、みんないい。』矢崎節夫 (監修)/JULA出版局

 この詩が生まれてから、大正・昭和・平成と3つの時代が過ぎ、令和という4つめの時代に私たちはいます。もしかしたら今やっと、「みんなちがって、みんないい」の言葉を実現できるような世になり始めているのかもしれません。  私達の周りには、当たり前ですが自分と違う考えを持った人や、違う人生の選択肢を取った人しかいません。異なる価値観を持つ相手と向き合ったとき、善悪のジャッジや決めつけをせず、フラットにその人を見て、受け止めていけるような人でありたい。同時に、いつだって自分自身も思い込んだ価値観で自分をジャッジすることなく、前向きに悩み、そして答えを出し続けていきたい。そう考え、改めて背筋をシャンとするのでした。 【取材協力】くどうみやこ(大人ライフプロデューサー/トレンドウォッチャー) 大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どもをもたない大人のマーケットに着目し、子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。 <取材・イラスト・文/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518
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