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「お前と話してもムダ」話の噛み合わない夫に、有効だった意外な作戦

不満や要求ではなく「単なる情報」として伝える

 また、別の夫婦の話ですが、夫が玄関のカギをよくかけ忘れるので、何年も前から注意してきたのですが一向に治らず、いつも口論になっていました。そこである時、「空き巣とか怖いわね。カギは注意しなければならないわね……」と独り言のように言ったところ、次の日から夫はカギを閉め忘れなくなったといいます。 鍵 ドア これほどの劇的な効果は、頻繁には起こらないかもしれませんが、不満や要求ではなく、「単なる情報」として伝えると、「自分が主体的に関わらなければならない」と感じて、目的や意味に変わるケースも多いのです。それだけですべてが解決するわけではありませんが、夫に対して「何かが伝わった」ということは、カサンドラに希望と勇気を与えます。  ASDに限らず、発達障害の当事者と周囲の人との人間関係をよくするためには、これまでの生活に対して新しい考え方や新しい行動の変容が必要です。そして、当事者だけでなく、周囲の人がどのようにしたら楽になれるのか、その方法や意味を一緒に作りあげていくこと。苦痛も伴うし、時間がかかるかもしれませんが、少しずつでも実行していくことが解決法になるのです。 <文/宮尾 益知>
宮尾 益知
徳島大学医学部卒業後、東京大学医学部小児科学教室、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年に「どんぐり発達クリニック」を開院。専門は発達行動小児科学、小児精神神経学、神経生理学。発達障害の臨床経験が豊富。近著に『子どもの面倒を見ない。お母さんとの会話が少ない お父さんが発達障害とわかったら読む本』(河出書房新社)などがある。
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