――本作の主人公の直子は、あることをコンプレックスに感じて周囲に隠しています。菜々緒さんも背が高いといった、今では強みになっている部分をコンプレックスに感じていた時期があったそうですね。
菜々緒「日本は特にそうだと思うんですけど、どうしても学生のころって人と比べがちですよね。成績順を発表したりといったことが日常的にあるから、自然と自分も人と比べるようになってしまう。人と違う自分はダメなんじゃないかと思っている時期は多かったです。でもそう思ってしまう自分がすごくイヤだったし、そこから脱却したいと思っていました。
それで、じゃあ、
自分がイヤだと感じている部分を、逆に武器にしたり好きになることができないかなと考えたときに、モデルを目指そうとなって。とにかく自分を好きになってあげたかった。なんでもイヤな方向ばかりで見ていくと、そうとしか見えないけれど、良いものなんだと捉えていくと、見方って180度変わってくるんですよね。
悲観している自分に飽きたんだと思います。それで意識を変えました。そこから派生して色んなことに目を向けられるようになって、自分を認めてあげるという作業を習慣としてできるようになったのが大きかったと思います」
『地獄の花園』より
――ありがとうございます。最後に映画公開へひと言お願いします。
菜々緒「今のような暗い時だからこそ、何も考えずに楽しんで観てもらえる作品なんじゃないかと思います!」
(C) 2021『地獄の花園』製作委員会
<文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi