「だんだん酔ったN彦の様子がおかしくなってきた。私に思いっきり抱きついてきたり、ほっぺたをくっつけてきたり、私の周りをグルグル回ったり。それがすごいテンションで驚いちゃいました」
ふだんのN彦さんは、全く甘えてくるタイプではなく、F菜さんがベタベタすると照れてしまうんだそう。
「もう、何ていうか全力で母親に甘えるチンパンジーの子供みたいになっちゃって(笑)ちょっと力が強すぎて痛い時もありましたが、こんな面もあるんだと可愛いらしく思いましたね」

酔ってF菜さんに甘えまくったN彦さんは、しばらくすると寝落ちしてしまいました。
「翌朝、青い顔で目覚めたN彦は『またやっちゃった、ホントにごめんなさい!お願い嫌いにならないで』と謝ってきたので、え、何で?って感じっ話を聞いてみたら…」
N彦さんは以前から、酔うと好きな女性に過剰に甘えてしまう癖があり、何人もの女性にドン引きされて振られてきたのだとか。
「だから私の前でもお酒をのまないようにしていたのですが、昨夜はつい嬉しくて飲んじゃったみたい」
彼は、自分のおかしな癖に動じなかったF菜さんにとても感謝したそう。
「外でN彦と飲むのはちょっと危険だなと思いましたが…家飲みだったらいくら甘えてもOKだよと言ったら『F菜ちゃんは人間が出来ている!器がでかい』とめちゃくちゃ私の評価が上がって笑っちゃいましたね」
それから彼は甘えたがりな自分を解放し、F菜さんはそれを受け止め、とても上手くいっているそう。
「N彦を見ていると、世の中にはチンパンジーの子供みたいに女性に思いっきり甘えたい男性が、結構いっぱいいるのかもしれないなって思ったりします。まぁ、でも知らないおじさんに甘えてこられたら蹴りますけどね」
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<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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