一番聞きたかった精液を飲ませることに関しても答えておきます。その行為願望には、2つの要素が考えられます。 　1つ目は、自身の分身であり、それを飲ませることは、全てを受け入れさせることや自分のモノにしたマーキングに近い意味を持つということです。中出しにも通じるものですが、妊娠する可能性がない分だけ男性は無責任に快楽を享受できます。 　精液を体内に取り込ませることが支配の証になるのですが、それは、自分が相手の特別な存在になっていることを意味します。AV業界でそういったプレイが好きな監督は「俺にとって精液は1番汚いもので、それを飲み込んでくれるということは、それほどまでに俺のことを愛しているってことだと思えるんだよね」と言っていました。若かりし頃はこの考えに概ね賛同していましたが、“愛”について知るようになった今、すごく身勝手な考え方だと思うようになりました。汚いと思っているモノを相手に飲み込ませるなんて、愛ではありません。 　愛は、利己性と利他性を兼ね備えたものです。相手を自分のモノにしたいという一体化願望と、相手をあるがまま受け入れる自他の区別と尊重の両立が前提としてまずなければなりません。相手のために自分を犠牲にすることでも、それをしてもらうことでもありません。相手の喜びが自分の喜びであり、ともに悦べることです。相手の苦しみで心を痛め、何とかしてあげたいと思うことです。自分の苦しみを解消するために相手を利用することではありません。