――生き方そのものを変えてくれた場所であったと。仕事としてみたとき、お笑い芸人ならではの楽しさは何ですか?
紺野:言葉にするのが難しいですね。でも、すべてがプラスになるところ。日々、ストレスを抱えたとしてもネタにできるのは楽しさかもしれません。嫌な女の人に会ったとしても、ネタにできればその人に感謝できるし。悲しいことがあっても、トークライブでオチを付ければお客さんが笑ってくれるし。マイナスをプラスに変えられる環境は、恵まれていると思います。
――とはいえ、お笑い芸人になった当初は葛藤もあったそうですね。著書の中でも、芸名の由来である紺のブルマを履いてネタを披露していた当時は「どんなにこちらがお笑いとしてやったとしても、客席の男たちはお尻や胸の膨らみしか見ていない」と述べていました。男性からのエロ目線に対して、今はどう思っていますか?
紺野:経験を重ねるにつれて、あきらめました。ズボンを履いていても、女芸人がネタをやっているのが好きという性癖の人もいるから(笑)。昔は気にしていたんですけど、今はもう、一番恥ずかしいのは面白くないことをしたときなんですよ。例えば、自信あるネタを披露したときにエロ目線で見られてもいいけど、中途半端にスベって、隙を見せたときにエロ目線で見られるのは悔しいです。
<取材・文/カネコシュウヘイ 撮影/林紘輝>