――とても責任感の強い女性が多い会社なのですね。ただ、責任感が強いと、仕事も育児もがんばりすぎて息切れをしてしまいそうです。 Tさん「それは、私自身も感じたことがあります。一人目を出産したきに、初めての育児に慣れない生活のなか、仕事のスピードやクオリティは落としたくないという思いから、一人で抱え込んでいっぱいいっぱいになってしまった時期がありました」 ――がんばれる環境が整っている分、責任感が強い人ほど抱えこんでしまいますよね。 Tさん「そのときは、なんとか乗り越えたのですが、今振り返るとやはりとても辛く……。ユキリエは若い社員が多く、これから育休や産休を取る人も増えてくると思うんです。なので、今後の会社のためにも社員のためにも、一人で抱え込まないこと・まわりに拾っていってもらうことを、私も含めて経験者がきちんと伝えていくことが大事だと考えています」 ――シングルマザーのKさんは、お一人で子育てをしていて仕事との両立の大変さを感じることはありますか。 Kさん「もちろん大変ですが、充実しているという気持ちが大きいです。私はコロナの影響で、以前勤めていた会社が傾いたときに、『このままではまずい』と転職活動をしてユキリエに入社しました。ユキリエのホームページで、シングルマザーも積極的に採用しているという情報を知ったんです。 　ユキリエは採用の際に『バックグラウンドは問わない』というのを信条にしているんですが、私はそうも言ってられなかったので、面接の時に自分がシングルマザーであることと、そのために毎月この金額をもらえないと生活ができない、という具体的な給与額を代表に提示しました」 ――すごい！！ Kさん「入社をして、働く中で仕事のスキル・キャリアを積んで、今年4月からマネージャーという立場になり、この会社で人を育てていくという新たな目標をもつようになりました。生活のために入社した会社だったのですが、働いていくなかで、自分の未来を描くことができ、そのスタートラインに立てたように思います」 ――素敵ですね。 Kさん「女性を積極採用する会社ということで、経済的に不安を抱えている女性こそ思い切って飛び込んできてほしいですし、自分で未来を切り開いてほしいと思います。女性社員が多いことで、その環境は整っていると思います。会社の知名度はまだまだなのですが、多くの女性に知ってほしいユニークな会社だと思っています」 　取材をしていくなかで、ほぼ女性社員だけの会社は、子供がいても働きやすい会社である一方で、その環境を武器に、社員が自立してストイックに働いている会社であることがわかりました。 【株式会社ユキリエ】 「女性活躍先進企業」を経営理念に、全社員を正社員採用し、事務職に特化した無期雇用派遣事業を展開する。仕事もプライベートも充実させたいという女性の働き方を支援し、2021年第10期目を迎えた。 ＜取材・文／瀧戸詠未＞