VERYモデル牧野紗弥、ペーパー離婚を家族で語る。子どもたちの反応は|Vol.3
―牧野紗弥さんと考える“平等な夫婦の形” Vol.3―
こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。
「自分たちらしい夫婦のかたちを見つけていきたい」
そんな気持ちから、家庭内にあった夫や妻といった役割を見直し、そして夫婦別姓という選択を検討し始めたモデルの牧野紗弥(まきの・さや)さん。
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現状の日本の法律では、夫婦別姓にするためには「ペーパー離婚をして事実婚関係にする」という方法しかありません。それを夫に提案したところ、一旦気持ちは受け止めてくれたものの、次なる問題が立ちはだかります。それは、3人の子どもたちの親権。日本で離婚後に共同親権を有することは法律上できないため、事実婚に関係を切り替えた場合、親権は父母のどちらかが単独で持つことになってしまうのです。
こうした問題に取り組むため、子どもたちとも話し合いを重ねていく牧野さん。やり取りの中で、子どもへのジェンダー(※)教育の難しさや重要性を感じているといいます(※ジェンダーとは、生物的な性別とは別で、社会的・文化的に見た男女の性区分や機会を指します)。
【Vol.1】⇒VERYモデル牧野紗弥が「ペーパー離婚で夫婦別姓」を選ぶ理由。平等な夫婦の形とは
【Vol.2】⇒モデル牧野紗弥が気づいた“妻の苦しさ”の正体。ジェンダー問題だったんだ!
現在専門家に相談しながら、共同親権に近い形を取れるよう事実婚に基づく契約書も作成している牧野さん。何より大切にしていることは、子どもたちがどう感じて、どんな選択をするかという部分です。
ただ現状、夫婦別姓のためにペーパー離婚をして事実婚にするという選択は、あまり前例のない取り組みです。“正解”が何なのか、答えがどこにも示されていないチャレンジに向かう両親を、子どもたちはどう感じているのでしょうか。(以下、「」内コメントすべて牧野紗弥さん)
「最初に話をした時は、子どもたちも『離婚?!』と言葉のイメージに対する驚きが大きかったです。でもこれを機に、なぜ夫婦別姓にしたいと思ったのか、なぜ事実婚にしなくてはいけないのかといったジェンダーの問題について話し合うことができ、今では上の子たち(小学6年生の長女、小学4年生の長男)はかなり理解を示してくれるようになりました」
親権のことや子どもたちが両親どちらの姓を名乗るかなどの最終的な答えはまだ出ていませんが、子どもたちとしっかり向き合って相談し、家族で一緒に考えていこうという決意は固まっているといいます。
「ちょうど娘の学校に、妻側の姓に改姓した男性の先生がいらっしゃり、それがきっかけでジェンダーについての授業がおこなわれたそうなんです。娘は学校でその話を聞いて、自分なりに考えた結果、『夫婦別姓にするには、今は離婚するしか選択肢がないのはおかしい』と話すようになりました。また『ママがこういう選択を取ったのはママの人生、私の人生は私の人生』とも言ってくれています。きちんと“個”が確立しているなと感じ、親として嬉しい限りです」
夫婦別姓のための離婚を、子どもにどう説明するか
学校でもジェンダーについての授業が
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