2020年度に、夫婦・恋人などのカップル間のセックス頻度には変化があったのでしょうか。
4年ごとの「セックスサーベイ」を通じて日本人の性を定点観測している開発マーケティング本部長の井上貴光さんは、「2020年度、意外にもコンドームの国内需要には大きな変化はなかった」と語ります。

(画像:ジェクス株式会社 公式ホームページより)
――ジェクスさんは、避妊具や潤滑ゼリーなどを製造販売していますよね。コロナ下でそれらの販売量に変化はありましたか?
ジェクス 井上さん(以下、ジェクス): 当社に関して言えば、昨年度(2020年度)の
国内向けコンドームの販売量や売り上げに大きな変動はありませんでした。
ですがインバウンド(訪日外国人)需要の低下により訪日外国人の間でよく売れていた「素材の薄さ」を全面に出したポリウレタン製のコンドームへの影響は大きかったようです。当社の場合は、「素材の薄さ」ではなく「フィット感」のあるコンドームを主力商品としており、国内市場でのシェアを伸ばしていたので、堅調な売り上げを維持することができているのではないかと思います。

――国内需要は増えても減ってもいない。ということは、カップル間のセックス頻度にはさほど変化がなかったと見て良いのでしょうか?
ジェクス: コンドームや潤滑ゼリーの売り上げの推移を参照する限りでは、全体的にみて
コロナ禍以前から特定のパートナーがいる人たちのセックス頻度に大きな変化はないように感じています。
ですがもちろん、新型コロナウイルスによって配偶者や恋人との関係性が変化した方もいると思いますし、これだけ感染症対策が叫ばれている中ですので、不倫や不特定の相手とのセックスの機会が減少しているのは明らかとも言えそうです。
ジェクス: 当社では4年に1度、性生活についての調査「
ジェクス ジャパン・セックスサーベイ」を大々的に実施しているのですが、じつはもともと近年、セックス頻度は下降傾向にありました(※1)。

画像:「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020調査結果報告書(PDF)」より抜粋
――調査では、セックスレス*の割合は、男性は2012年から2020年の8年間で34.4%から41.1%に、女性は33.5%から49.5%に上昇していますね。(*セックスレス:ここでは特殊な事情がなくセックスまたはセクシュアルコンタクトが1カ月以上なく、その状態が長期にわたり続くことが予想される場合を指す)
ジェクス: コロナ流行以降はまだ調査を行っていませんが、私たちの肌感覚ではセックスレスのカップルはセックスレスのまま、定期的にしていたカップルはそれなりにセックスをしていた……という感じだと推測しています。