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コロナ下で祖母の墓に行けないと嘆いていたら…不思議な体験に思わず涙

 新型コロナウイルス感染症の流行は、収束するどころか最近は“第5波”が発生。依然として危機感を煽られ続ける中で、「コロナのせいで長らく帰省できていない」と嘆く声も出ています。 「大好きだった祖母のお墓参りに行けない。それが辛いです」と語るのは、都内在住の吉田ゆかりさん(仮名・26歳)。
お墓参り お盆

写真はイメージです(以下同じ)

 2年前に大好きだった鹿児島の祖母を亡くしました。コロナの影響が出る直前だったので、お葬式やお通夜には参加できましたが、その後は一切帰省できなかったそうです。四十九日の忌明け(きあけ/喪に服す期間を追えること)後に、初めて迎える新盆(初盆)にも実家に帰れず、家族の誰とも2年近く顔を会わせていません。

「東京の人は帰ってこないで」

「東京に住んでいるのは私だけで、親戚や両親は地元の鹿児島にいます。妹は香川、弟は福岡ですが、新盆や法事など家族のイベントにはふたりとも参加しているんです。出られないのは私だけ。  地方に住んでいる両親や親戚いわく、『東京や大阪以外ならまだ感染のリスクが少ない』という感覚らしく、『東京なんてもってのほか』とどうしても私だけ異様に警戒されてしまって……。突出して陽性者数が多いので、その感覚も分かりますが、やっぱり寂しいですよね」  吉田さんが住んでいるのは、都心から少し離れた東京都多摩市の閑静な住宅街。最近の調査によると、取材をおこなった6月時点で、多摩市のコロナウイルス感染症累計患者数は、合計80人。しかし、年末年始や最近の“東京で新規コロナ感染者数が1日1000人を超えた”という報道の衝撃がよほど強いようで、ここ2年は「帰省したい」という言葉を言うのも許されない、なんともいえない空気が漂っているといいます。(※取材翌月の7月にはさらに状況が悪化し、都内の感染者数が1日3000人超を記録) 「東京のどこに住んでいるかは関係なくて、両親の中では全部ごちゃ混ぜになっているんです。もはや、東京=怖いって。でも確かに、住んでいる場所が都心から離れているとはいえ、帰省する際に大きな駅や空港は通りますしね。絶対安全とも言えないし、やりきれない気持でいっぱいです」

お墓参りの回数は、全国的にも減っている

 コロナ下におけるお墓参りについて、全国石製品共同組合(全石協)が全国の40代以上のお墓を持っている男女2,174名を対象におこなった調査によると、この1年間で「年に1回以上お墓参りに行った人」が63.9%で、行かなかった人は36.1%という結果に。2016年6月に調査した同様のアンケートと比較し、この1年間で「お墓参りへ1回以上行った」人は、25.4%減(2016年6月の調査では89.3%)となりました。
お墓参りの現状についてのアンケート調査

出典:全国石製品協同組合「コロナ禍におけるお墓参りの現状についてのアンケート調査概要」

 まして20代の吉田さんのように、地方へ帰省してお墓参り……となると、どうしても気軽に帰れないのが現状です。おばあちゃん子だった吉田さんは、お墓参りができないこと、手を合わせられないことを毎日のように悔やみ続けていました。  そんな日々を送る中、ある日をきっかけに次々と“異変”が起き始めます。
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頻繁に起こる不思議な現象にドキッ
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