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コロナで困窮する夜職シングルマザーたち。「性風俗は不健全」と排除する国に怒り

国立大学入学後、東京での生活苦で夜職へ

――石川さんが運営する「ハピママメーカープロジェクト」は職業や性別に関わらず、困窮者に食材を無料提供するフードパントリーを開催していますが、「夜の世界で働くシングルマザー」向けの支援を強化していますよね。なぜ夜職のママたちなのでしょう?
国立大学入学後東京での生活苦で、夜職へ

写真はイメージです。(以下同)

石川「私は国立大学に通っていたのですが、東京での生活は思っていた以上に費用が掛かり、学費と生活費のために最初の頃は早朝や夜もバイトをしていました。ご飯もコンビニでもらう廃棄を食べたり、大学のシャワー室を使って費用を抑えたり。そのうちに体を壊してバイトをかけもちすることができなくなり、夜の世界でスタッフやキャストとして働くようになりました。  大学卒業後は公務員になりましたが、大学在学中からのうつ病が悪化し、フルタイムで働けなくなったんです。隔離病棟に入っていた時期もありました。退院後はハローワーク経由で障害者枠として介護施設で働いたりもしましたが、続かず。  自分の居場所は昼の世界にはないんだ。夜にしか居場所はないんだと思い、再度夜の世界へ入っていきました。ナイトワークだと週に2、3日だけ働いても、食べていける。そういうわけで、夜の仕事をしながら、残りの5日をゆっくり過ごして、うつ病を治した経験があります」

性産業の縮小には国の制度の改善が必要不可欠

性産業の縮小には国の制度の改善が必要不可欠――国立大学なのに生活が苦しくなるという学費設定そのものがおかしいですよね。多くのヨーロッパの国立大学は大学院までほとんど無料です。 石川「学校を無償化し、シングルマザーなどへの福祉制度を充実させることによって、結果として性産業が縮小するのであれば、それは良いことだと思います。業界全体の供給過多での価格崩壊も防げるかもしれない。なのに、国は制度を改善せずに、性産業を差別して社会から排除しています」
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「性風俗業は本質的に不健全」について思うこと
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