――チェリーとスマイルはフジヤマさんの思い出のレコードを探します。染五郎さんの思い出の曲、好きな曲を教えてください。
染五郎「マイケル・ジャクソンのファンなんですけど、最初に聴いたというか、ミュージックビデオで見たのが『Bad』でした。あのときの衝撃は忘れられません」
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――染五郎さんの世代でも衝撃を受けるんですね。
染五郎「最初はもっと古い人だと思っていました。でも全然違っていて、むしろ新しさを感じたんです。すごいと思いました。そういえば、父(十代目、松本幸四郎)がラスベガスで歌舞伎をやったとき、ちょっとだけムーンウォークをやったんです。マイケルのお面をつけて。その稽古を家でもしていたので、僕も一緒にやっていました」
――では、染五郎さんもムーンウォークができる?
染五郎「一応。でも外では披露してないですし、恥ずかしいのでするつもりもありません(笑)」
――染五郎さんは普段から歌舞伎、お芝居が大好きだとお話されていますが、まだ10代です。そうした環境が辛いと思ったことはありませんか?
『サイダーのように言葉が湧き上がる』より
染五郎「
歌舞伎役者で嫌だと思ったことはないです。歌舞伎の化粧が嫌だと思ったことはありますけど。下地で鬢付(びんつ)け油を付けるのですが、かなりゴシゴシ塗るんです。子どもの頃は人にやってもらっていたので、痛いしベトベトするしで、それが嫌だったのだと思います。でもほかはないですね」
――染五郎さんからは、歌舞伎をクリエイティブで新しいものを生み出していく芸術という意識が強いのかなと感じます。
染五郎「そうですね。もちろん古典もきちんとやらないとダメだと思っていますが、一方で新しいこともどんどんやれるようになりたいと思っています」