とはいえ、東京の夏が「理想的な気候ではない」ことを知っていた国は多く、各国の選手団はそれぞれ暑さ対策をした上で来日。
アメリカは選手団が開会式で着用するラルフローレンのジャケットに、着用者の体温を自動で調節してくれる温度冷却装置「RLクーリング」を搭載することで長時間の開会式で選手がバテないように対応。
オーストラリア選手団は「東京ヒートプロジェクト」と銘打って、数年前から東京の猛暑に備えたトレーニングを行ってきたといいます。
しかし、高い湿度とセットになった東京の暑さは想像のはるか上を行くものだったようです。
『タイム TIME』は、毎年東京では熱中症で多くの死者が出ることを紹介し、東京の夏がいかに危険かを示唆。2020年には東京近郊の都市で40 度を超える高温を記録したことにも言及しています。
同誌によると、1964年以降で最も暑いオリンピックとして記録されているのは、開催中の最高気温が34.2度だった2004年のアテネオリンピック。32度だった1996年の米アトランタ、30度だった2008年の北京が後に続きます。
連日30度を超え、湿度も60%前後と高く、体感温度は35度を軽く超えている東京。海外メディアが「史上最も暑いオリンピックになるだろう」と予測し、「こんなに暑いなんて聞いてない」と批判するのも仕方のないことのように思います。
そんな中、五輪招致を主導した元東京都知事を猪瀬直樹氏が、批評家からの指摘を受けて猛暑開催を疑問視する声に反論し、「涼しい夏は言語矛盾で夏はどこもそれなりに暑い。(中略)7月半ばまでの雨季と9月からの台風シーズンの端境期で総合条件でもっとも適している」とツイート。
この反論で納得してくれるアスリートや海外メディアがいるかどうかは疑問です。
Sources:「
Yahoo Sports」「
News.com」「
Daily Beast」「
Time」
<文/橘エコ>
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アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。