『ばけばけ』髙石あかりの芝居から目が離せないワケ。“覚醒”のきっかけは、監督が伝えた「意外な一言」
明治期の日本で出会った松江の没落士族の娘・小泉セツさんと、その夫で作家・小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)をモデルに、文化や言葉の壁を越えて家族になっていく姿を描いた連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)。
朝ドラヒロインを演じる役者には、世間から大きな関心を向けられる。中には、「ちゃんと務められるのか?」といった攻撃的な目線も少なくない。主人公・トキ役を務める髙石あかりも例外ではなかった。しかし、いざ放送が始まると、視線を釘付けにする表情の機微や圧巻の演技力で、朝ドラヒロインとしての存在感を確かなものにしている。
改めて“朝ドラヒロイン・髙石あかり”を制作陣はどのように見ているのか。本作の制作統括を務める橋爪國臣氏に聞いた。
【前回記事】⇒『ばけばけ』がこだわる「普段の朝ドラではしないこと」とは? “目に見えていない部分”が見たくなる仕掛け
髙石の演技についてどのように撮っているのかを聞くと、「表情を含め、芝居のナチュラルさは唯一無二だと思っているので、『それを壊さないように』と撮影しています」と返す。
「基本的には本人が好きにやれる環境をどれだけ作れるか、ということに気をつけています。例えば、方言にこだわりすぎて、がんじがらめになり、アドリブができなくなることは避けたい。歴史モノなので、着物を着たり、方言を使ったりなど、いろいろな制約はあるのですが、そういったことは極力少なくして、自然に動いてもらえるようにしています」
さらには、「髙石さんは『こう返すなら、自分はこういう表情を見せる』というような瞬発力がとにかく高い。相手とのキャッチボールをしながら面白さを積み上げていける役者さんなので、周囲のキャストにも同じレベルが求められます。髙石さんの芝居を受け、きちんとキャッチボールできる人をキャスティングしよう、ということもこだわった部分です」と共演者選びも特に意識したという。
髙石は2024年にドラマ化もされた映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで主演を務め、女子高生の殺し屋という異色の役柄を演じてきた。バディ役の深川まひろ(伊澤彩織)との会話劇に心を奪われた人は多いだろう。『ばけばけ』でも、髙石の会話シーンに頬が緩む瞬間は少なくないが、『ベイビーわるきゅーれ』のエッセンスは含まれているようだ。
「ヒロインオーディションの際、髙石さんに演技を見せてもらった時、最初は歴史モノということでいろいろ考えながら演じていました。ただ、村橋直樹監督から『相手役を伊澤さんだと思って芝居してください』といったことをお願いしたんです。
その後にもう一度演じてもらったら、本当に自然な演技を見せてくれ、『私たちが求めているのはこれだ!』『型にはまらない芝居をやらせたらピカイチだ!』と思ったんです。実際に『ばけばけ』でも、その魅力が発揮されていて、髙石さんがトキ役で良かったと思っています」
髙石あかりに、自然に動いてもらえるように
さらには、「髙石さんは『こう返すなら、自分はこういう表情を見せる』というような瞬発力がとにかく高い。相手とのキャッチボールをしながら面白さを積み上げていける役者さんなので、周囲のキャストにも同じレベルが求められます。髙石さんの芝居を受け、きちんとキャッチボールできる人をキャスティングしよう、ということもこだわった部分です」と共演者選びも特に意識したという。
会話劇で評価された“型にはまらない芝居”
「ヒロインオーディションの際、髙石さんに演技を見せてもらった時、最初は歴史モノということでいろいろ考えながら演じていました。ただ、村橋直樹監督から『相手役を伊澤さんだと思って芝居してください』といったことをお願いしたんです。
その後にもう一度演じてもらったら、本当に自然な演技を見せてくれ、『私たちが求めているのはこれだ!』『型にはまらない芝居をやらせたらピカイチだ!』と思ったんです。実際に『ばけばけ』でも、その魅力が発揮されていて、髙石さんがトキ役で良かったと思っています」
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