コンサートの日、会場の最寄り駅付近ではうちわやグッズを並べてフリマをするヲタの姿がよく見られました。ここで欲しいグッズを探したり、情報交換したり、開演までの時間をおしゃべりして過ごすヲタも多く、ゆるい即売会のような雰囲気もありました。
今は規制がきびしく、フリマアプリもあるのでナマのフリマはほぼ見られなくなりましたが、「屋台をひやかすみたいな楽しさがあった!」と懐かしく思うヲタも多いです。
最近はツアーごとにテーマに沿ったトートバッグが販売されますが、昔は紙製のショッピングバッグがほとんどでした。
アツいヲタはこれに飽き足らず、ベタベタと推しの切り抜きを貼り付けた“イッピ袋”を作り、その愛の熱量を誇示していました。コラージュ力に抜きん出たイッピ袋は、会場に向かうヲタたちから「ほほう!」という視線を浴びていたものです。それは、缶バッジやマスコットで飾った“痛バッグ”の原型と呼べるかもしれません。
なお、“イッピ袋”のイッピとは“一般ピープル”の意で、「気持ちに素直な普通のファンが、“好き!”を思いっきりバッグにぶつけた」というイメージでしょうか。