生活保護を受ける56歳女性の、あとがない危ない状況とは<コロナ貧困3>
新型コロナは多くの失業者を出すなど、“貧困パンデミック”とでも言うべき状況が生まれている。なかでも、なかでも、生活苦におちいる女性が急増している。そんなニッポンの貧困のリアルを取材した。
【コロナ貧困1】⇒コロナで貧しくなる女性たち。50代以降はさらに深刻に<コロナ貧困1>
【コロナ貧困2】⇒生活保護は誰のため?発達障害の子を育てるシングルマザーの苦悩<コロナ貧困2>
「コロナ前には風俗店3店舗の掛け持ちと清掃バイト、それでも足りなければ出会い系サイトで一回3000円でウリをしてしのいでいました。けれどコロナで店の利用客は激減しました。客がついても日給4000円がやっとでした」
そう語るのは、過去数回にわたり週刊SPA!に登場した立花薫さん(56歳)。若い頃から、水商売や風俗を生業にしてきた。
「ついに限界がきて、今年から生活保護のお世話になっています。ケースワーカーに促されて行ったハローワークでは、飲食店の清掃の仕事を紹介されたけど、時短営業で思うようにシフトに入れなくて。なんとか稼げても、月1万5000円ですよ」
立花さんの口座に生活保護費として振り込まれるのは月10万円弱、バイト代を含めても収入は月11万円ちょっとだ。
「そこから家賃5万3000円と携帯代を払うとカツカツです。なるべく早く生活保護を抜けたいので、昼職も探しているんです。ただ私は中卒だし、実務経験もない。少し前に区のパソコンスクールに行っていたけど、周りは老人ばかりで実践的じゃなくて。だからといって有料の講座を受けるお金の余裕もないですからね……」
ため息交じりに立花さんは語る。
コロナで夜職がなくなって、生活保護を
「中卒だし、実務経験もない」
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