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障害者の“ギャグ”はアウトですか?「笑い」で偏見を吹き飛ばせ!|吉川トリコさんインタビュー

 結婚、出産、不妊治療の話題から、推し活やダイエットまで、本音炸裂のエッセイ本『おんなのじかん』(新潮社刊)が話題の著者、吉川トリコさんへのインタビュー。
吉川トリコ『おんなのじかん』(新潮社刊)

吉川トリコ『おんなのじかん』(新潮社刊)

 前回まで、恋愛や結婚、不妊治療や子を持つということなどについて、さまざまなお話を聞いてきました。最終回である今回は、ネガティブな感情を笑いに転換する、吉川トリコさん流・楽しく生きるコツも伝授してもらいます!

90年代の悪趣味文化を野放しにしていた自分

――本書ではNHKのバリアフリー・バラエティー『バリバラ』などを例に、「不幸でかわいそう」といったネガティブな先入観を払拭するのに、「笑い」が効果的だと書かれていました。 吉川トリコさん(以下、吉川)「自分の性格なのか、根がふざけてるので昔からそうなんですけど、ちょっと不謹慎なことを言って笑う、みたいなところがあるんです。ミュージシャンの小山田圭吾さんが、同級生や障害者に対するいじめを過去の雑誌で発言していたことで東京オリンピック開会式の作曲担当を辞任した一連の流れを見ていて、90年代の空気を知っている人たちは、悪趣味文化的なものの存在を知っていながら野放しにしていた自分にも少なからず責任があると感じたんじゃないでしょうか」 ――サブカル全盛期で、今の感覚で振り返ってみるとちょっと悪趣味とも取れたりするような感じも受け入れられる時代でしたね。
電気グルーヴ

「電気グルーヴのSound & Recording 〜PRODUCTION INTERVIEWS 1992-2019」 (リットーミュージック・ムック)

吉川「電気グルーヴも結構過激なことをラジオで言ったりしていて、私もそういうのを浴びるように聞いて育った10代だったので、どうしても、不謹慎なことを言って笑う、ギリギリを行くのがかっこいい、みたいな感じがあったけど、当時面白いと思って言ってたことって、今となっては完全にアウトなんですよね。今というかそもそもの最初からずっとアウトだったんですけど。    不謹慎なことを笑いに、と言っても、これを言っちゃうと傷つく人がいるからダメかな、とか、これ以上はダメだぞっていう線引きを一人一人が見極めていくことが大事だと思います」

当事者でない人が、いいとか悪いとかジャッジできない

――『おんなのじかん』の中には、2012年に日本で公開されたフランス映画『最強のふたり』(2019年にハリウッドでもリメイクされた)について書かれていました。
『最強のふたり』

エリック・トレダノ 監督の映画『最強のふたり』(DVD/ギャガ)

吉川「この映画は、事故で首から下が麻痺してしまった富豪のフィリップと、その介護を請け負うことになった失業中の青年ドリスの話なんですが、このドリスという青年の、障害者を障害者とも思わない言動がとにかくひどいわけですよ。  この映画に出てくる笑いやバリバラの笑いもそうだけど、当事者の中でも喜んで笑う人もいるだろうし、見たくもないと目をそらす人もいるだろうなっていう、どっちにも転がりうる、みたいなところがあるんです。それを一概に、当事者でもない人間がいいとか悪いとかジャッジするわけにはいかないかな、と思っていて。だったらどうしたらいいのか、みたいなことを、これからみんなで話し合っていこうっていう段階にあるのかな、と思います」
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「更年期」を笑いにした上沼恵美子
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