Entertainment

振り回される林遣都が愛おしい…『恋する寄生虫』の“不器用で優しい”演技がイイ

哲学的なテーマ、そして完璧なラスト

『恋する寄生虫』より 柿本監督は原案となる小説を読み、 「描かれていることは、ありきたりなラブストーリーではなく、実は『心』と『体』は別だからこそ見えてくる人間の本質そのもの、僕にとってはすごくしっくりくるテーマだった」 「『心』はどこから来て、やがてどこへ行くんだろうと、普段から興味があり触れてみたい物語だった」  と語っている。  物語では、人間の主体的な感情だけではなく、とある要素のために恋に落ちているのではないか、と思わせる要素がある。その「心」とは何かと考えられる、観た後に誰かと話し合いたくなる奥深さがあるのも、本作の魅力だ。原案となる小説を合わせて読めば、数々の寄生虫にまつわるトリビアや、さらに複雑で示唆に富む哲学的な思想に触れられ、さらに楽しめるだろう。  そして、この映画『恋する寄生虫』が真に深く心に残る理由は、あまりに美しい、完璧なラストにあるのではないか。原案となる小説とも異なりながら、物語を振り返れば「こうなる」ことが大納得できる。柿本監督の映像作家としての力も最大限に発揮された、至福の光景が目の前に広がっていたのだ。ぜひ、映画館でこそ堪能してほしい。 <文/ヒナタカ>
ヒナタカ
WEB媒体「All About ニュース」「ねとらぼ」「CINEMAS+」、紙媒体『月刊総務』などで記事を執筆中の映画ライター。Xアカウント:@HinatakaJeF
1
2
3
4
Cxense Recommend widget
【公開情報】
恋する寄生虫』は2021年11月12日より上映中。
(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会
あなたにおすすめ