「『せっかく帰ってきたんだから誰かお友だちと会ったら?』とか『お買い物でも行ってきたら?』とか、さりげなく家から追い出そうとするんです。
ウチの実家は私が大学生になってから引っ越したので近くに友達などいないし、買い物ももう行ってきたというのに。こりゃお邪魔なのかなと思い、予定を一日切り上げてしょんぼりと帰路につきました」

帰省から戻ってからも、しばらくお正月の出来事を反芻しては悶々としていた浦野さん。そして、こう思い至ったとか。
「“娘”として帰省できるのって、きっと期限があるんですよ。私はこれまでのお正月が好きだったしずっと続いてほしかったけど、両親も親戚も『もうオマエの接待は飽きたよ』『いい加減旦那や子どもを連れて帰ってきてくれよ』って感じなのではないでしょうか。
いい歳こいた娘が正月に実家に帰省してゴロゴロしてる姿を親戚や友人に見られるのも、もしかしたら恥ずかしかったのかもしれませんね。みんな優しいので正直にズバッと言ってくることはありませんが……その気持ちを汲んでコロナが落ち着いたあとの正月は友人と旅行に出かけようと思います。
再び年末年始に帰省するのは結婚して子どもができてから、もしくは40代半ばくらいになって完全に開き直れてからですかね……」
里帰りしてチヤホヤされるうちが花。その期間は長くは続かないと肝に銘じ、しっかりと満喫しておいたほうがいいのかもしれません。
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<文/丸本綾乃>