――行動まで変わるのがすごいですね。
八木「おこづかいはあげること以上に、使い方について親子で話し合うことが大事です。子どもから『おこづかいの金額が少ない』『今月は余分におこづかいがほしい』と言われたら、
なぜ足りないのか・何に使いたいのか?をきちんと子どもから聞いて、その理由が納得できるものであれば余分におこづかいをあげても良いと思います。
我が家の例ですと、縄跳びの縄がどうしても欲しいと子どもに言われたことがあります。子どもはすでに縄を数本持っていたのでダメだと言ったのですが、『どうしてもクラスで流行っている縄が欲しい! あの縄を買ったら縄とびを頑張る』と言ったので、追加のおこづかいで縄を買わせて様子を見ることにしました。結果、子どもは練習をとてもするようになり、縄跳びがかなり上達しました。縄跳びが上達したことで、子どもの人生に直接役立つことはありませんでしたが、親子で約束をすることや子どものがんばりを見られたいい機会だったと思います」
――ルールや約束事などを決めるのもいいですね。
八木「そうですね。逆に、
おこづかいを増やせないことをきちんと説明することもその家庭の価値観や経済状況を子どもが知るいい機会になると思います。説明なしに、『おこづかいは〇〇円と決まっているからダメ!』と突っぱねてしまうと、子どもは親に内緒でお金を使うようになります。
高校生になればアルバイトをするようになりますし、購入したものを自宅ではなくコンビニで受け取ったりと、親に内緒で子どもが危うい物を買える状況が増えていきます。そうなる前にお金の使い方についてはオープンに子どもと話す環境を作っておくことが大事です。小さいときからその感覚を身につけておけば、大きくなっても『そういえば、お母さんあんなこと言っていたな』と、ふと思い出してストッパーになってくれると思います」