しかし、早めの夕食を済ませ、仮眠を取るなど万全の準備をしてオーロラの出現を待ちましたが、現れる気配はまったくなし。深夜になっても雪は一向に止む気配を見せず、深夜2時までねばっていましたが諦めて寝てしまいます。
「わざわざ客室から見えるって触れ込みのホテルを選んだのに。フロントにもオーロラが出たら内線で知らせてくれるように頼んでいましたが、結局連絡が来ることはありませんでした」
そして、迎えたオーロラ鑑賞の最後のチャンスとなる現地2日目の夜。日中に現地のスーパーで買い込んだチーズやマリネを肴(さかな)に、フィンランドワインの飲みながら2人でまったり過ごしていました。
ところが、この日は夜になって雪が降り止んでくれましたが、厚い雲に覆われたまま。晴れる可能性があるのかフロントに確認してみるも「今晩は難しいかも」との返答。それでも諦めきれずにずっと起きていたそうです。
「ただ、夫は早々に諦めていたみたいで、飲みメインに切り替えて12時前にダウン。私は爆睡する夫の横で日本から持ってきた小説を読みながらこの日も深夜2時ごろまで粘りましたが、オーロラを見ることは叶いませんでした」

それでも観光にお気に入りの北欧雑貨ショッピング、サウナ巡りなど充実した「楽しい思い出になりました」と陽菜さん。ですがオーロラのことはやはり心残りだったのか、なんと翌年リベンジで再び鑑賞ツアーに参加することに。
そのために国内旅行や外食なども控え、少しずつ生活費を切り詰めて費用を捻出(ねんしゅつ)したとのこと。
「ちなみにこのときはフィンランドではなくオーロラ鑑賞スポットとして世界的も有名なイエローナイフ(カナダ北西部)。
前回同様、現地では2泊したのですが、2晩とも晴れ。バッチリこの目で見ることができ、オーロラを心ゆくまで堪能することができました! 夫は『もう寒いところは嫌だぁ~』ってボヤいていましたけどね(笑)」
普通なら「いつかリベンジしたい……」と思っていてもなかなかできないもの。それをわずか1年後にやってしまうのだから大したものです。
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<文/トシタカマサ イラスト/朝倉千夏>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。