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観る人も騙される!長澤まさみ『コンフィデンスマンJP 英雄編』は映画からでも十分楽しい

コメディエンヌの才能を開花させた長澤まさみ

 多くのキャラクターが魅力的に描かれていますが、ダントツなのがやっぱり主人公ダー子。  ドラマ版第1話で客室乗務員になった(扮装ではなくリアルに就職)ダー子にボクちゃんは、「それだけ努力する才能があったら、真面目に働いても成功するよ」と呆れます。それに対してダー子は「そんなの、才能の無駄遣いじゃない!」と一蹴(笑)。そんな圧倒的自己評価の高さに加え、常に前向きで、落ち込むがないダー子は観る者に元気をくれます。
 ダー子が企てる、壮大な騙し合いの計画。毎回(ほぼ)納得の結末になるのは、敵味方関係なくその人を深く理解し愛しているからではないかと思うのです。映画-ロマンス編-でダー子は弟子のモナコに伝えます。「オサカナを吊り上げられるかどうかは、どれだけ深く知ることができるかで決まるのよ」と。  表面的な情報はもちろん、その人のルーツや心の底で欲しがっているものまで理解するダー子。その愛情深さがあるからこそ、多少の傍若無人さも自信過剰な態度も愛おしく見えてくるのでしょう。  そんなキャラクターにダー子を押し上げたのは、長澤まさみの実力も大きいはず。ドラマ版ではじめて大口を開けて豪快に笑うダー子を観た時「こんなに弾けた長澤まさみはじめて」と驚きました。普通の人がやったら下品に思ってしまうような言動も、長澤まさみがやるとなぜかキュートに見えてしまうのです。それこそがコメディエンヌ・長澤の真骨頂!映画-英雄編-でも、長澤が演じるダー子にすっかり魅了されてしまうことでしょう。

今回は、ダー子とボクちゃん、リチャードが勝負?!

 映画-英雄編-は、“英雄”と謳われた詐欺師「三代目ツチノコ」が死んだところからはじまるとか。「ツチノコ」の称号をかけて、ダー子とボクちゃん、リチャードが勝負をするという今までにない設定です。舞台はなんと世界遺産の都市、「マルタ島・ヴァレッタ」。  映画ビジュアルの「最後に騙すのは、仲間。」という意味深なコピーに、今回もどのような騙し合いが繰り広げられるのか期待が膨らみます。私たちも一緒に、気持ちよく騙されようではありませんか。 <文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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