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飲む中絶薬で“自分で中絶”できる国も。日本ではなぜダメなのか

「12週以降だとボロ儲け」の病院も

 しかも病院側は、前日には21万円だった収入が、翌日には50万円以上(「出産一時金」約40万円+中絶料金5万円+埋葬料9万円)に跳ね上がるのです……。  このような料金体験は見直すべきです。中絶薬を手ごろな価格で提供することで、より早期の中絶に誘導していくこそ、医学的にも倫理的にも望ましいように思われます。

より早い中絶ほど、女性の負担が下がる

 アベマに登場した医師は、中絶薬について「緊急避妊薬とは違って妊娠9週までと余裕がある」とも言いました。たとえ中絶薬を用いる場合でも、「より早い段階」で服用した方が、女性の負担もリスクも下がるという事実が全く抜け落ちているのです。  また、今回申請された薬は妊娠9週までしか使えないため、それを超えた週数の中絶は従来法しかないという問題も残っています。  中絶にまつわる問題はあまりにも広く、ここではほんの一部しかご紹介できませんでしたが、知らずにいたらおかしいことにも気付けないし、より良いものを求めていくこともできません。女性自身が正しい情報を身に着けて、声を上げていくことがとても大切になるのです。 【前回を読む】⇒“飲む中絶薬”がやっと日本にも? 730円なのに「10万円に」と言う医師の利権 <文/塚原久美>
塚原久美
中絶問題研究家、中絶ケアカウンセラー。大学卒業後、翻訳者/ライターに従事。出産後、中絶問題の学際研究を始め2009年に金沢大学大学院で博士号(学術)、後に心理学修士号と公認心理師、臨床心理士資格も取得。2020年、RHRリテラシー研究所を立ち上げる。著書に『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ-フェミニスト倫理の視点から』(勁草書房、2014)、翻訳書に『中絶がわかる本』(アジュマ・ブックス、2021)など。twitter:@kumi_tsukahara
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