
スライスした断面。全体的にキメが整っています
まずは厚切り(4枚切り程度)にスライスして食べてみました。まず、生地の白い部分のしっとり度や風味は食事パンの概念を覆す驚きがあります。噛むたびに感じるミルキー感は従来品よりも強く感じられ、生食パンならではの魅力が存分に堪能できます。
何もつけないで食べる食パンがこんなにも満足できるなんて、お世辞抜きに素晴らしいと思いました。もはやこれはパンではなく、スイーツに近い存在感です。
夕食後、試しに7歳の我が子に食べさせてみたところ、おなかがいっぱいのはずなのに、ペロリと完食してしまいました。そして、「おいしすぎる! でも僕的には80点!」とつぶやいたのです。
理由を聞くと、おこげ部分が小さな子どもには苦くて嫌なんだそう。黒い部分がなかったら100点満点とのことでした。これは実に考えさせられる結果であり、焦げをおいしく感じない人も確実にいることに気がつきました。
それでは次に、トーストして食べてみることにしましょう。

表面がうっすら色づく程度にトーストして、乃が美の白桃ジャム(1080円)を塗って食べてみました
みなさんは生食パンをトーストして食べてみたことがありますか? そのまま食べる場合と比較した場合、大きな違いを感じることができます。それは、「食感」。特にこの黒山乃が美の場合は顕著であり、どこまでももっちり柔らかいのです。
つまり、商品説明にもある「吸い付くもっちり食感」をしっかり楽しみたい方はトーストがオススメです。おいしいと感じる味覚には個人差があるため、私は安易に判定したくありませんが、この究極なまでのもっちり感は個性が強いので、評価が分かれそうだなと感じました。
トーストすることで生まれる超もっちり感は、皆さんご自身で判定してもらったほうがいいなあということ。ちなみに私は、生で食べるほうが好みです。
以上、実食して感じた素直な感想です。最後に、今回の新作に“逆襲感”をどの程度感じたか? ということについてですが、商品コンセプト自体がかなりチャレンジャーであり、これまでの常識を打ち破ろうと新たな提案をしている姿勢には応援したくなる気持ちが芽生えました。
今後期待したいのは、この黒山に合う特製ジャムの開発や、独創的な食べ方の提案。そして結果として逆襲できるか否かについては、発売後の売れ行き次第であり、食パンを愛する多くの皆様の評価によって作られるものでしょう。
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<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>