箱の中には説明書が同封されていて、収穫日や食べごろのタイミングが記載されています。この1枚のパワーは偉大で、生産者の愛情をリアルに感じることができます。

同封されていた説明書。生産者情報も調べることができます
なんでこんなにも安いのか気になって仕方がなかったので、思いきって出店者に質問してみました。安さの理由としては、熊本県がメロンの栽培に適している点にあるとのこと。
茨城県などのメロン出荷が盛んな地域では1番花のタイミングで実がなったらメロンを収穫して終わりになるところ、熊本では1番花が3月(まだ早い時期)で、6月の2番花のタイミングでもメロンを収穫することができるために、価格的に安く提供できるという明確な回答をもらうことができました。
さらに食べ頃のタイミングでメロンを切ってみたところ、安定感のあるおいしさに改めて感激してしまいました。

食べ頃に切ってみたところ、申し分ない完熟メロンに感動しました
他にも商品を見ていくと、今回のメロンのように驚くほど安くて品質の良い農産物は他にもあり、農家直送の新鮮な野菜・果物を直接安く購入することができる買い物体験はメルカリらしい強みになりそうです。
それでは次に、メルカリ Shopsとしてのデメリットや弱点について検証していくことにしましょう。

激安メロンとは思えないおいしさでした
ものすごくシビアにとらえれば、出店しやすさの裏返しとして、商品のクオリティが気になります。玉石混交の可能性を想起してもおかしくありません。
冷静かつじっくりと商品を見ていくと、まだまだサイト自体に駆け出し感があり、商品ラインナップやバリエーションに偏りがあることに気がつきました。
今の段階では日本全国のご当地グルメや物産品を広くカバーしているとは言い切れず、掘り出し物を探し当てることはできる反面、安定感や総合力においては楽天やアマゾンなどに大きくリードされている印象を抱いてしまったのは正直なところです。
また商品の魅力や品質については、出品されている商品についての評価・コメントがアバウトであり、商品の評判を明確に判断しにくい構造は気になります。これは商品そのものの問題というより、メルカリ Shopsの構造上の課題で、今後のパワーアップに期待したいところ。
商品の安全性については、メルカリ Shopsには独自の出店審査があり、許認可証が必要な商品を販売する予定がある場合には、申込時に情報入力および画像提出が必要であるため、出所がわからないような生鮮品は見る限りなさそうです。
まとめますと、食品を安く便利に買う一つの選択肢としてメルカリ Shopsは大いにアリ。おいしい商品も確かに存在していることがわかりました。あとは、使い心地や満足度が世間からどう評価されていくかであり、今後の進化にも注目が集まりそうです。
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<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>