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イオントップバリュそうめん「ヤバい」投稿に賛否。食べ物をディスる“覚悟”は必要か

イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の中で最もリーズナブルな「ベストプライス」のそうめんが話題になりました。
ベストプライス

「つるりと滑らかなのどごし そうめん」 199円(税込)

トップバリュそうめんをディスるツイートに6.3万件のいいね

スーパーマーケット専門家のスギアカツキです。私は国内外のスーパーマーケットの魅力を伝えるべく活動していますが、先日見過ごすわけにはいかない「大問題」が起こりました。 それは、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の一つである「ベストプライス」のそうめん(600g税込199円)をディスるツイートが起こした大騒動。1.9万件のリツイート、6.3万件のいいねがあり、賛否両論ありの大反響を呼びました。 問題となった投稿は、あるTwitterユーザーが、『トップバリュの黄色は本当にヤバいブツがあって、素麺もその一つ』とした上で、『下には下がいる』『しんどい、ただしんどい』などと述べ、トップバリュそうめんを『コスト全振り特化型』であるとし、有名ブランドそうめん「揖保乃糸(いぼのいと)」と食感を比べながら痛烈に批判する内容でした。「トップバリュの黄色」とは、トップバリュのなかで、黄色のマークがついている「ベストプライス」ブランドを指すと思われます。
素麺

「ベストプライス」の素麺(左)と「揖保乃糸」の素麺(右)

スーパーのそうめんがきっかけでこんなにも大騒動になったということは、問題の中に“大事な要素”が秘められているに違いありません。そうです、何が悪か?どちらが正義か?を決めるのではなく、今回の問題をきっかけにして、普段の食生活に役立つヒントがないか考えてみたところ、ある大きな発見がありました。 それは、「自分にとっておいしい食べ物を引き寄せるコツ」は、意外にも身近に転がっているということ。さてさて一体どういうことなのでしょうか…。

トップバリュとブランドそうめん、どちらも悪くない

まずはディスられてしまったそうめんを紹介しましょう。名称は、干しそうめん。原材料は小麦粉と食塩のみ。 素麺今回問題となった商品は、トップバリュベストプライス「つるりと滑らかなのどごし そうめん」600g(6束×100g)で199円(税込)です。原材料は国内製造の小麦粉と食塩のみで、中尾食品という香川県のメーカーが製造しています。ツイート内容の中には、有名ブランドそうめん「揖保乃糸」を比較対象にしたコメントがありましたが、まず確認したいのは、原材料や製造方法が根本的に違う点です。 揖保乃糸は、600年前から続く伝統的な「手延べ製法」によって作られています。原材料は小麦粉、食塩、食用植物油(綿実油)。小麦粉はオーストラリア産・アメリカ産・国内産・カナダ産を日本で製粉したものであり、兵庫県のご当地食材ではありません。製造工程の中で「熟成(=コクや旨味につながる)」が重要であり、麺同士のくっつきや乾燥を防ぐために麺表面に薄くコーティングする油が使われます。そして麺の生地を切断することなく圧力とひねりで細くしていくことによって、“コシの強いツルツルの食感”が生まれます。
素麺

揖保乃糸は手延べそうめん。

一方トップバリュのそうめんは、機械製造によって大量生産されるタイプ。生地を薄く延ばして切断し乾燥させて仕上げているので、手延べに比べると熟成工程もほとんどなく仕上がりに差が出て当然です。つまり、コシのある食感を最優先して作られたものではなく、価格重視派のニーズにこたえることを重視している商品なのです。 そして価格重視だから品質を犠牲にしたということでもなく、食べ方次第でおいしく食べることはできると、個人的には思います。では実際にできるだけおいしく茹でてみましょう!コツは一つ、とっても簡単です。
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「まずい」という発言は、覚悟が必要
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