「不倫っていう言い方は気に入らないんです(笑)」身勝手を貫く既婚女性が本気になったけど…
1日だけ寝込んだ日
「神奈川のサービスエリアで休憩をとったんですが、なぜかふたりともそのまま車の中で寝てしまったんですね。ふと目覚めたら夜が白々と明けてきていて。あ、今日は子どもの授業参観だったと思い出して。急に現実に引き戻された。そして運転席で寝ている彼を見て、『この人、誰だっけ』みたいな気持ちになった。
あわてて彼を起こして『ごめん、帰るわ』と。彼も『うん』って。間抜けな道行きですよね」
どうしてそういうことになったのか、今もよくわからない。あの夜の自分の気持ちは、一生かかっても思い出せないだろうと彼女は言う。
彼に送ってもらってそうっと玄関を開けると、夫がキッチンで朝食を作っていた。
「ごめん、ちょっとコンビニに行ってたと言うと、コンビニで寝てたんじゃないのと夫に言われ、出て行ったことも知っていたのかもしれないと思いました。それでも夫は何も言わなかった」
すべてひとりで引き受ける覚悟はできている
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio


