――女子SPA!の読者に向けて、メッセージがあればお願いします。
田房:私は30代後半から自分が嫌で嫌で仕方なかったんですけど、そういう時期もあってもよかったなって思ってます。“あの時もっとはっちゃければよかった”ともあんまり思ってなくて。
私にとっては、「お母さんに似るのが嫌だ!」って抗(あらが)うことも人生の一歩だし、それを感じ切るのも、そういう時期だったのかなと思います。無理くり綺麗になろうとしなくていいし、ありのままの自分を好きになりましょうとか自己肯定感を高めましょうとか言われても、できないものはできないから、それはもう放置して(笑)自分のやりたいことをやればいいと思いました。だって無理だし。
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母親、痴漢、男女の格差など、普段やり過ごしていた問題をグッと身近に引き寄せ、「悲しんだり怒ったりしていいんだ」と気づかせてくれる田房永子さんの作品たち。
新刊『いつになったらきれいになれるの?』では、作者が自分の見た目を少しずつ受け入れていく心の動きが丁寧に、コミカルに描かれています。
「私は私の人生や生活を守るために必死で(中略)次に進むために食べてたんだって」「『がんばってたね』って言ってあげてもいいんじゃないかなって思った」(4章「6月安めぐみに目覚める!?」)という田房さん。自分の見た目や体型を受けれられず自己嫌悪に陥っている人たちに寄り添ってくれる本です。
私たちも40代をYOU島で楽しく過ごしましょう。
【田房永子】1978年、東京都生まれ。2001年、アックスマンガ新人賞佳作受賞。過干渉な実母との確執を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版刊)が大きな反響を呼ぶ。著書に『キレる私をやめたい』(竹書房刊)、『大黒柱妻の日常』(エムディエヌコーポレーション刊)、『なぜ親はうるさいのか』(筑摩書房刊)などがある
<文/藍川じゅん>
藍川じゅん
80年生。フリーライター。ハンドルネームは
永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。