C子さんは、無難なワンピースを着ていったのですが、とにかくストッキングの中が蒸れて不快だったとか。周りの人たちも女性は化粧が剥(は)げ、男性もスーツから汗がしたたる始末。
さらに披露宴は立食スタイルだったため、この時点でさらに2人ほど熱中症の脱落者が出たそうです。
「しかも料理はビュッフェ形式で、準備が早すぎたせいで傷みまくり! そりゃあ式の間ず~っと日光に晒(さら)されたわけですからね……」
色がおかしくなったローストビーフに、虫が入っていそうなコーンスープ、ケーキも生クリームが溶けかかっていました。
「特に印象的だったのは生ハムメロンですね……。メロンは水分がすっかり失われていました。生ハムはパリパリに乾いていて、フォークですくい上げようとしたら枯れ葉のようにボロボロと砕けていきました……」
その後も知人など誰もいないC子さんは、テーブルの前に棒立ちのまま水分を摂取するだけの時間を過ごしていました。しかし周りを見渡すと、あまりの暑さでガーデンにいる人たちは誰も会話していない……。両家の親交を深める目的で、余興ナシでご歓談タイム多めの設定が裏目に出た模様です。
「極め付けは、そんな状況下でも元気に走り回っていた子どもたちです。5歳くらいの男の子がふざけて、Y美のウェディングドレスのスカートの中に潜り込んだんですよ。しかし、30度を超える暑さで蒸しまくったドレスの中がどんな状態だったのか……想像つきますよね?」
そう、ドレスの中はもはや蒸し風呂! しかもY美さんの発汗もあり、とんでもない臭いが発生していたらしいのです!
「くさいーーーー!!!! うえええええええええ」
ドレスの中から出てきた男の子は、泣き叫びながら嘔吐。新郎新婦にももはや表情はなく、適当な挨拶でパーティは締めくくられたそうです。
「お見送りでも、Y美はほぼ無言でしたね。私ももうグッタリしてしまったので、10数年ぶりに会ったのに交わした言葉は『おめでとう』『ありがとう』のみでした。
スマホが炎天下で温度が上がっちゃって写真1枚すら撮ってなかったので、その後Y美に連絡はしていません」
灼熱の太陽の下、繰り広げられてた地獄絵図。ガーデンウェディングを考えている方は、開催する季節を熟考することをお勧めします。
―シリーズ「夏に起きたトホホなエピソード」―
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<TEXT/もちづき千代子 イラスト/鈴木詩子>
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フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama