「結局、戸籍は放置されたまま父が亡くなりました。わたしが結婚することになり、会ったこともない父の前妻と、戸籍上は親子。相続など、なにかあったら大変だと思いました。家庭裁判所に出向いて、戸籍を修正する方法を聞き、自分で手続きをすることにしました」

戸籍の修正をするためには、前妻の住む管轄の家庭裁判所まで出向いて「親子関係不存在の申し立て」をすることが必要だと知ったそう。遠方に住む、会ったこともない父の前妻に、わざわざ会いに行くハメになりました。
「家庭裁判所で申し立てをし、母に頼んで前妻に連絡を取ってもらいました。あちらの家庭裁判所に出向いて双方合意の上、やっと戸籍の修正をすることができました。戸籍謄本を取る機会は少ないため、あちらのご家族もわたしが戸籍に入っていることを知らなかったようです」
長年秘密にされていた、両親の「驚愕の事実」を知り、そこからさらに時を経て、やっと正しく戸籍が修正されてほっとしたものの、やはりモヤモヤは消えないそうです。
「戸籍は修正されましたが、モヤモヤは消えません。離婚も再婚も父の自由ですが、生まれてきたわたしを適当な戸籍にぶち込んで、そのまま放置して亡くなった父のことを思い出すと、わたしが雑に扱われている気がして、嫌な気持ちになります」
ですが、その経験を今に生かそうと思いなおしたそうです。