MIYAVI・41歳、ヤクザのボス役オファーに「無理でしょうと思いました(笑)」
ロックミュージシャン、ギタリストとして世界で活躍しているMIYAVIさん(41)。アンジェリーナ・ジョリーさんが監督した映画『不屈の男 アンブロークン』をはじめ、俳優としても存在感を示しており、現在も出演映画『ヘルドッグス』が公開中です。
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『燃えよ剣』などの原田眞人監督が三度、岡田准一さんと組んだ本作で、MIYAVIさんは、岡田さん演じる元警官の主人公・兼高が潜入する、関東最大のヤクザ組織の若きトップ・十朱を演じています。いわゆるイメージするところのヤクザのボスとは違うオーラで魅せるMIYAVIさんに話を聞きました。
――猛者たちを束ねるヤクザ組織のトップを演じました。
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MIYAVIさん(以下、MIYAVI)「最初は『僕ではないな、無理でしょう』と思いました(笑)。でも僕にお話が来たということは、そこに何かあるんだろうなと。まず監督のお話を聞きたいと思いました。そこで、十朱というキャラクターにある種の異物感、異色感が欲しいと伺って。『アンブロークン』(2014年、アンジェリーナ・ジョリー監督作)に出させていただいたときも、そうした理由でしたが、既存のイメージにとらわれない、今までにないヤクザのボスにしたいんだなと感じました」
――美しいボスでした。
MIYAVI「“美しさ”は映画全体としてのテーマでもありますよね。人と人とのぶつかり合いが、どう美しく描かれているのか。大きなテーマだし、その繊細さとエレガントさも原田監督の作品の特徴でもあるのかなと思いました。十朱は、華麗で美しく、かつ狂気をずっと内に秘めていて、自分の思う正義を貫き、新しい世界を作ろうとしている。そんな彼の孤高の生き方と、組織を率いる人間としてのバランス感覚が難しかった点です。ただそこは、アクションシーンの殺陣と同じで、北村(一輝)さんなり、吉原(光夫)さんなりがしっかり受け止めてくれたからこそ、僕はああいったボスとして存在していられたと思います」
――主演の岡田さんの印象を教えてください。
MIYAVI「演技ももちろんですが、アクションにかける思いには本当に強いものがありました。自分の出番じゃないときでも、現場にいて、アクションの確認をしていて。そうした姿勢がキャストやスタッフに伝わるし、それが最終的に作品につながっていったと思います。彼の主演としての器と熱量は、僕たち共演者にとってもすごく大きなものでした」
――十朱と兼高の、クライマックスでのシーンがとても印象的でした。
MIYAVI「あそこはひとつの終着点でもあって、感情の揺らぎみたいなものをどう滲み出せるかが勝負でした。ある意味、中学校のときに、好きな人に告白するときの緊張感と恥じらいが混ぜ合わさったかのようなドキドキ感が、あのシーンには重要だったと思います。撮影自体はすごくサクっと終わりました。原田監督の撮影はすごくテンポ感が早くて、ローラーコースターのよう。アクションの画もすごくしっかり撮れたと思いますし、すごく印象に残る場面になりましたが、僕個人としてはもっとやれたかなという思いもあります」