そして、自分の娘・めぐみへの複雑な気持ちと、娘と孫に会えて嬉しい気持ち、本当にふたりのことを想うからこその厳しさと温かさを、どれも丁寧に表現しているのが高畑淳子。
船着き場へふたりを迎えに来たときの佇まいや、初めて小学校に登校するふたりを見守っていた表情は、心の機微まで伝わる秀逸さでした。第2週からは、何をするにも臆病な舞を自分でなんでもできるようにと導く祥子を、高畑がどう魅せてくれるのか楽しみです。
また、
ちょっと頑固にもうつる芯の強さが、祥子からめぐみへしっかり受け継がれている様も描かれており、ふたりが母娘であることを強く感じます。第1週の副題「お母ちゃんとわたし」を、永作博美と高畑淳子の演技が体現していたからでしょう。
永作と高畑がそこまで計算して演じていることも、彼女たちの高い表現力から伺えるのです。脚本・演出の力の大きさはもちろんですが、
このふたりが物語に圧倒的なリアリティをもたらしていることは間違いありません。
2週以降の展開は? 温かな物語への期待が止まらない
まだ第1週が終わったばかり。物語の展開がどうなるかは分かりませんし、演出の好みも人それぞれだとは思いますが、筆者はこの作品に対し、多くの朝ドラファンへ心温まる物語を届けてくれる期待が止まりません。
<文/鈴木まこと(tricle.llc)>
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日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:
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