なにか子どもに配れるものはないか必死で考えた森田さん。キッチンを探して思いついたのは、純和風なモノでした。
「当時息子は、小腹がすくとよく“おもち”を焼いて食べていました。なので個包装の切り餅がたくさんあったんです。配るならこれしかない…と思いました。もうひとつ、息子はフルーツが大好きなので、早生(わせ)みかんが買ってあるのを思い出し、これなら7個ある!と思いつきました」
お餅にみかんとは、どこから見ても“お菓子”とは呼べないけれど、背に腹は代えられません。どう考えても和風なものを、なんとかハロウィン風にできないか、と知恵を絞った森田さんは、ある工夫をします。
実際に渡したギフト(森田さん提供写真)
「さすがにお餅とみかんをそのまま渡すのは和風すぎると思ったので、個包装のお餅とみかんに油性マジックで『ジャック・オー・ランタン』の顔を描いたんです。そして少しかわいいジップロックに入れて、慌てて7人分作りました。あげられるものはこれしかなく、とにかく時間がないので、頑張って描きました」
7人分の、お餅とみかんのセットが出来上がった瞬間、ピンポーンとインターホンが鳴り、無事みんなの「トリック・オア・トリート」に間に合ったそう。