
左がローソン。右がPAUL
1889年に北フランスで創業したブーランジェリーのPAUL。
日本では敷島製パン(パスコとしておなじみ)のグループ会社であるレアールパスコベーカリーズが全国85店舗を展開していますが、このPAULのカヌレは看板商品のひとつ。ローソンと比較して3か月ぶりに食べてみたところ、その圧倒的なおいしさに改めて感動してしまいました。

左がローソン、右がPAUL。生地の気泡の入り方に大きな違いを感じます。値段が違うからと言われれば話は終わってしまいますが、PAULのカヌレは一度は食べてみる価値があります
食感、風味、鼻に抜ける香り、すべてが秀逸です。314円という価格にはそれなりの覚悟が必要ですが、サイズ感もひと回り大きく、価格に見合った満足感を十二分に得ることができます。そして他のお店も食べ進めていくことにしました……。

左が、洋菓子店「ガトー・ド・ボワイヤージュ」194円。右が、本格ベーカリー「THE STANDARD BAKERS FARM」345円。同じカヌレでも見た目、色など大きく異なる
「実力のあるベーカリーが作るカヌレには、ハズレなし」。この仮説を確かめるために、これまでさまざまな有名パン屋さんのカヌレを試してきましたが、これを覆すようなものには今までのところ出逢ったことがありません。
私がPAULの他に印象的だったのが、栃木県宇都宮市に本店を構える「THE STANDARD BAKERS FARM」。力強い香りや食べ心地が心に残るおいしさです。
そしてもう一つ。神奈川県・横浜市に本店を構える洋菓子店「ガトー・ド・ボワイヤージュ」でもカヌレが看板商品になっているので購入してみました。このカヌレは冷凍の状態で販売されていて、おいしく食べたい場合は、トースターで温め直すことを勧められました。
ここで気がついたのは、冷凍されて販売されているものは、温め直すことで若干のリカバリーがあるものの、焼きたての風味とはやっぱり違うということ。他店でも冷凍販売されている場合がありますが、本当においしいカヌレを探している場合は、避けた方が賢明でしょう。
そして同時に気がついたのは、軽く温め直すことでどんなカヌレもおいしさが底上げされるということです。
結論としては、定評のあるベーカリーのカヌレを選ぶこと。トースターで軽く温め直すことでそのままの状態よりもおいしく味わえるということでした。
いずれも特別なポイントではありませんが、この2点をおさえるだけでおいしいカヌレに巡り合える可能性は飛躍的に高まるはずですから、ぜひ試してみてくださいね!
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<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>