
「高校は割と自由な校風だったので、女子はメイクポーチやブランド物の財布を持っていっていました。私も母に入学祝いで買ってもらったメイクポーチと財布を大切に使っていました。
そんなある日、ポーチと財布が何者かによって盗まれたんです。財布はお金だけ抜かれて戻ってきましたが、犯人は結局見つからず……。ポーチも見つからなくて、友達にも協力してもらい一緒に探してもらうことにしました。
すると同級生が『この前、ナオと遊んだときに恵理がなくしたポーチとまったく同じブランドの物を持ってたよ』と言ってきたんです。友達がこっそり撮ってきた写真を見ると、確かに私が盗まれたものと同じポーチが……。汚れている部分も同じで、どう見ても私のものでした」
恵理さんはナオさんを呼び出して、ポーチのことを問い詰めました。しかし、ナオさんは「知らない」の一点張り。いくら聞いてもしらばっくれられたといいます。
「今だったら先生に言うなどして何かしらの対処をするべきだと思うんですが、当時はそこまで頭が回らなくて。結局、泣く泣くポーチのことは諦めたのですが、その一件以来、ナオのことは大嫌いになりました。それからはナオとは一切関わりを持たずに生きてきました。
クラスの女子みんなで遊びに行くという話になったときも、ナオが参加すると聞いたので私は不参加。高校を卒業して27歳のときに同窓会の連絡が来たときも、ナオが出席すると聞いて私は欠席しました。他の同級生たちともどんどん疎遠になっていきましたね……」
しかし同窓会の後、恵理さんは参加した元クラスメイトから思わぬ話を聞くこととなります。