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人間関係を強化させるコツは?人をうまく褒めることから始めよう

発達障害の当事者の銀河さんは空気を読むことが苦手で、新卒で入った会社でもうまくいかず、うつ病になってしまいます。その後、発達障害であることを生かした仕事のやり方をみつけ、現在ではキャリアアドバイザーとして転職サポートを行ったり、キャリアや生活で悩む発達障害の人へコーチングを行うなどの活動をしています。 今回、銀河さんが上梓した新刊『発達障害と仕事』の中から、「人の褒め方」「人間関係を強化するコツ」などをご紹介します。 (当記事は本書より抜粋して構成)
銀河さん

銀河さん

褒めているつもりが、偉そうになっているかも?

女性

※写真はイメージです

あなたは、最近誰かを褒めた記憶はあるでしょうか? 人を褒めるところが見つかったときは、人間関係強化のチャンスです。なぜなら、人と協力をしていく上では「褒める技術」を持っているかどうかで結果が大きく変わるからです。周囲の人々がやってくれたことをきちんと“褒める”ことで士気も上がり、みんなとより強力な協力体制が築けるようになるわけです。 しかし、発達障害、特にASDのある人は他人を褒めることが苦手な人が多いように思います。より厳密に言うと、「本人は褒めているつもりでも、言われた人からすれば褒めているように聞こえない」という事態が起こりやすいのです。ASDの人は、感情に訴えかけるのが苦手ですし、話をするときは非常に淡々と物事を伝えがちです。 だから、褒めるときも、「○○さんはここが強みで、ここが優れている。だからすごいと思います」などと、客観的・論理的な感想を伝えた褒め方になりやすいのです。 事実としては間違っていないとしても、まるで通信簿に書かれるような言われ方をすれば、多くの人には「褒めているように聞こえない」のです。いくら自分は褒めているつもりでも、どこか偉そうだなと思われたり、上から目線だなと思われたりして反感を買ってしまうことも。これでは褒めたつもりでも、相手にとっても自分にとってもプラスにはなりません。

まずは「感情」「感謝」を押し出していく

理由を論理的に言うだけでは、褒めたことにはなりません。では、どんな点に注意すれば、「褒めてもらった」と相手に思ってもらえるのでしょうか。 そこで、まず押し出すべきは「感情」と「感謝」です。もっと言えば、細かい分析よりも「ヤバい!」「いいね!」などの短くてシンプルな言葉をガンガン繰り出すほうが効果的です。 そこで、次からは私がよく使っている「褒めことば」を、シチュエーション別にご紹介していきます。 ●後輩や同期にはくだけた言い方で褒める 自分の身近な相手に対しては、短いキーワードをテンポよく、前向きで明るいテンションで伝えることを心がけましょう。明るいテンションで接することで、まずは自分のポジティブな感情が相手に伝播していくのです。同時にやってくれたことに対する感謝の気持ちを表すことで、相手に気持ちがより伝わるでしょう。 【例文】 「それめちゃくちゃいいね!!!」 「すごくうれしい! ありがとう!」 「ヤバいね!!」 ●目上の人には「勉強になります」がベース 目上の人に対しては、具体的に分析して「褒める」というスタンスを取ると、「なんでそんなに上から目線なのだ」と怒られる可能性もあります。それゆえ、目上の人を褒めるときは、「とても勉強になります!」というスタンスが基本です。相手の良いところを見つけて褒めると、もっと良い知識を教えてくれるきっかけになるかもしれません。また、どんな相手でも、自分の時間と労力を割いてくれたことに関する感謝を忘れずに。 【例文】 「勉強になります! そのやり方で、今度私も挑戦してみます!」 「私にはそこまで考えが及びませんでした。さすがです、勉強になります! ありがとうございます!」 あなたが褒めたい相手は、あなたにとって大きな力になってくれる仲間です。褒めポイントを見つけられることは、それぞれの人が持つ得意分野を把握し、効果的にいっしょに動けるようになるということです。 あなたしかできないこと、あの人にしかできないことを、全力でそれぞれがやる。そうすると力は何倍にも膨れ上がっていきます。周囲の人と褒め合うことのできる関係性を育てて、より強い協力体制を築いていきましょう。
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知らない人が新しいチャンスを運んできてくれる
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