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「双子ベビーカーもバスに乗せて」小池都知事に伝えた双子ママ。炎上の先に得たものは

双子のベビーカーで、バスに乗れるのか。 この問題についての議論が、元バレーボール選手の大山加奈さんのインスタグラム投稿をきっかけに再加熱している。 大山さんは、都営バスで双子ベビーカーのまま乗車しようとして拒否されたという。 女子SPA!では以前、この問題について声を上げた1人の女性に取材している。彼女らの働きかけもあり、2021年に都営バスは、双子ベビーカーも畳まずに乗車できるようルール改定した。 当時の様子や双子ベビーカー問題の本質に触れる、同記事を再掲載したい。読者の皆さんはどう感じるだろうか。 (以下、2022年9月8日に公開した記事の再掲載です) ===================  双子ベビーカーによって、バス会社から「乗車拒否」という衝撃的な扱いを受けた秋澤春梨さん。すぐさま都バスを運営する東京都交通局に意見メールを送ったが、まったく誠意の感じられない定型文が3週間後に返ってきただけだった。
秋澤さん提供写真

秋澤春梨さんと双子のお子さんたち(以下同じ)

「もうこの人たちには何を言っても無駄か……」。そんな諦めの境地に達したものの、それから1年後、子育て支援NPO法人・フローレンスが都バス乗車に関するアンケートを行っていることを知る。そこで自身も改めて声を上げることを決意したという。 【前編を読む】⇒双子ベビーカーでまさかの乗車拒否。ガラ空きのバスで…運転手の“ひと言”にもア然

状況が変わらないなら、もう腹をくくるしかない

──ご自身の経験談を提出したということですが、それはどういった思いからの行動だったのでしょうか? 秋澤春梨さん(以下、秋澤):結局、自分たちでアクションを起こさない限り、状況は何も変わらないんだと思い知らされたんです。私が乗車拒否されてから1年が経っていましたが、状況は何ひとつ変わっていない。「察してもらう」とか生ぬるい言葉は通用しない世界なんですよね。私が憤りを感じていたことを知っていた夫も「行っておいで」と背中を押してくれましたし、もう腹をくくるしかないと思いました。 ──しかし都バス側の四角四面な対応を聞く限り、いくら話し合ってもラチが開かないのでは? 秋澤:そうなんですよ。だから東京都庁に出向き、最初は都民ファーストの会に陳情*をすることになりまして。都バスを運営している東京都交通局は東京都の管轄なので、民間のバス会社とは勝手が違うところがあるんですよね。(*公的機関や政治家などに実情を訴え、善処してくれるよう要請すること) ──なるほど。そういった事情もあるわけですか。

メディアに出て理解も得られたが、ネットで炎上も経験

秋澤:時系列で言うと、私が最初に乗車拒否されたのが2018年の5月。都民ファーストの会に訴えたのが’19年の9月。『スッキリ!』(日本テレビ系)やNHK、東京新聞、ウェブ系ニュースなどで取り上げられたのが’19年の10月以降。  そこでは双子育児、多胎育児がいかに大変で、バスに乗れない現実があるのかをアピールしました。そして小池百合子都知事にお会いできたのが2020年の1月31日。思えば結構な長期戦でしたね。
秋澤さん提供写真

2020年におこなわれた、小池都知事との面会

──メディアに出たことで、世論の後押しもあったということになりますか。 秋澤:その通りなんですけど、一方でYahoo!のコメント欄などは厳しい意見も多くて……。「甘えるな」「引きこもっていろ」「引っ越せ」「おんぶ抱っこ(抱っこ紐を駆使し、前と後ろで同時に子どもを抱えるテクニック)すればいいだけの話」とか炎上して言われたい放題でした(苦笑)
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小池都知事の前でベビーカーを畳む実演をしたら…
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