朝ドラ「舞いあがれ!」の赤楚衛二は天使だ!“もっさり・ほっこり感”に心温まる
NHK連続テレビ小説2022年下半期作品として、毎週月曜日から金曜日、朝8時に総合で放送されているのが、福原遥がヒロインを演じる『舞いあがれ!』だ。
NHKの朝ドラをあまり熱心に見てこなかった筆者だが、今度の『舞いあがれ!』は、かなり熱心に見てしまう。赤楚衛二君が目当てなだけなのだけれど。
赤楚君が登場するのは、第3週の16話から。飛行機をつくることを夢見るヒロイン岩倉舞は、18歳になり大阪の大学に通っている。人力飛行機サークル「なにわバードマン」を見学した後、彼女が立ち寄ったのが街角に軒をつらねる古本屋「デラシネ」だ。
「おいちゃん、こんばんは」と舞が声をかけたのは、主人の八木巌(又吉直樹)。八木は、古典の棚の前にじとっと座って本を読んでいて、舞の挨拶にあまり反応しない。そのかわり、店の奥から「まいちゃん?」と呼ぶ声が聞こえる。それが温かかで、心地よい耳障りなので、すぐに赤楚君だと分かる。
舞の幼馴染みである梅津貴司は、高校を卒業してすぐシステムエンジニアとして働いている。彼は仕事が終わると、このデラシネに来て、店の奥の居間のちゃぶ台を陣取って本を読む。舞が来たときにも、文庫本を読んでいた。白いYシャツにネクタイをしめた、いたって普通のサラリーマン風情なのだけれど、そこは赤楚君が演じるだけはある。持ち前のもっさり、ほっこりで、爽やかな居住まいが、この貴司のキャラクターに自然と溶け込んでいるのだ。
舞台は、“モノづくりのまち”東大阪。身体が弱く熱ばかり出していた岩倉舞が、飛行機をつくることを夢見て、空高く、舞い上がって行こうと奮闘する姿が描かれる。朝ドラに相応しい福原のハツラツさはもちろん、舞の幼なじみ・梅津貴司を演じる赤楚衛二が吹き込む爽やかさが、またたまらない。 「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、赤楚特有のもっさり、ほっこりな雰囲気で視聴者の心を温める貴司役の味わい深さを紐解く。天邪鬼ですみません👹
— 赤楚衛二 (@akasoeiji) October 10, 2022
結局前髪上げました笑
まぁでも多数派の方って言ってませんからね笑 https://t.co/HwBWnO5HOe pic.twitter.com/eH9xBYgIC6
キャラクターに自然と溶け込む赤楚衛二
文学を志向する貴司
貴司は、今度初任給が出たら、舞ともうひとりの幼馴染みである望月久留美(山下美月)に、何かご馳走すると言う。何かご馳走すると言っても、そんなに高いものを食べに行けるわけではない。貴司の実家は、お好み焼き屋「うめづ」を営んでいる。 舞の実家はこのうめづの隣で、昔から親しんでいる味である。舞と久留美が先に店で待っていると、貴司が遅れてやって来る。彼は席につくなり、初任給で買ったという本をカバンからごそごそ取り出す。詩人・金子光晴の自伝『ねむれ巴里』という渋さ! 舞たちは、さすが文学青年は違うとコメントするが、貴司は、まんざらでもない表情を浮かべる。 「夢に近づいてる気、するんや」と言う赤楚君の大阪弁に耳を澄ましてみると、貴司の心の声がだんだんと聞こえてくる。ナイーブな文学青年である彼は、人間関係であまりうまくいっていないようだが、今の仕事に就いたことでむしろ本を読んだり、大好きな詩作により打ち込めるようになったらしい。彼の夢は、金子光晴のような詩人になることだろうか。文学を志向する貴司の瞳は、きらきらと輝く。
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