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「キリ」の表示が「クリームチーズ」から変更したワケは?

ここでもう一つ事例をご紹介しましょう。世界的にも有名ブランドとして愛されている「キリ」が、「クリームチーズ」と表示しなくなったのをご存じでしょうか? 実は今年9月に世界統一でレシピ変更が行われ、日本における「プロセスチーズ」の条件である乳固形分40%以上に該当しなくなるために「クリーミーポーション」に変更されました。
表示をよく見てみると、「クリーミーポーション」と書かれています。

表示をよく見てみると、「クリーミーポーション」と書かれています。

ベルジャポンに変更理由を聞いたところ、「原料調達や環境配慮からの観点で世界共通で仕様改善をした」とのこと。しかしながらこの事態を冷静に考えると、乳固形分を減らしたという事実に他なりません。キリはそれ以前にも、個包装タイプの1ポーションの重量を18gから16.3gに減らしています。本商品に限らず、このような変更に関心を持っておくと、今後の商品選びをする上で大きな判断材料となるに違いありません。 ここでわかるのは、昔ながらの製法を守り、本来のクリームチーズを作り続けている製造者との考え方の違いです。キリは伝統的な製造方法、ブランド、コストなど、作り手の守りたいコトがパッケージ表示にもしっかり反映されるという点で、わかりやすい事例になっています。

食品表示への意識を高めることは、損をしないことにもつながる

私たちが知らないところで損をしないためにも、食品表示の変更や動向に関心を持ち続けることは重要です。 これからの時代に重要なのは、値上げラッシュで気になる「商品価格」の視点だけではなく、商品表示を丁寧に確認する消費者としての意識・姿勢。食品表示に目を向けること。ひとりひとりがよく見て、よく考えること。そして自分が満足できる商品を選ぶこと。 これらの行為こそが、作り手に健全な精神を宿すことにつながると信じたいところです。そして同時に、私たちが生きる日本、世界、地球における大切な食文化の継承にもつながるのではないでしょうか。 <文/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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