「しばらくして『子どもたち~!おいで~』ってパパの妹が呼ぶと“いよいよお年玉の時間が来たかな?”って、息子も甥っ子たちもニタニタした顔で集まってきました」
「はい、どうぞ」とお年玉は子どもの手に渡り「ありがとう」と返すやり取りが終わると、大人はひと仕事終えた気分で再びお酒を飲み始めます。
そんな時に響いた、息子のあの言葉……。
「ママぁ~!1,000円しか入ってないよ~!! うち、3,000円入れたのにねぇ?!」

息子さんの言葉に、由佳さんは凍りついたそう。
「あの時はびっくりしました。息が出来なくなるってこういう時に使うんだなって……。なんか、お金に汚いって思われたかなって、もらってすぐ袋を開けたことも、金額にケチつけているのも……とにかく恥ずかしい気持ちでいっぱいで……ふと見たら、隣にいた夫も固まってました」
無邪気な子ども達と、凍り付く大人たちの異様な空気が流れました。
「その後、パパの妹が気を利かせてくれて『わぁ、ごめんね、間違えて入れちゃったかな』って、お財布から出した2,000円を息子に渡してくれたんですけど……その姿を見て、今度はものすごく申し訳ない気持ちになりました。」
無邪気な息子さんの一言に、その場にいた親戚みんなが混乱したそう。
「もうあんな思いをするのは絶対に嫌なので、これからお年玉の用意は夫にお願いしました。それから、子どもがいる同士の親戚って、お年玉とかお祝いの額とか、そういうのもいろいろ、事前に決めておいたほうがいいなって。今回のことであらためて思いました」
由佳さんはときどきうなずきながら、そう話してくれました。
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<文/maki イラスト/ただりえこ>