「キング・オブ・ポップ」と称された大スターの父エルヴィスから、一身の愛情を受けながら育ったリサ・マリー。しかし、自身が9歳のとき、父が自宅のバスルームで倒れているところを発見。父はそのまま帰らぬ人となった。父の死に大きなショックを受け、さらに母プリシラとの関係も悪化した彼女は、若いころからドラッグやアルコールに溺れるようになったという。
成長してからは、音楽の道に進み、シンガーソングライターとして活躍。音楽的な才能だけでなく、邸宅などを含めた莫大な遺産も父から受け継いだが、私生活ではトラブルが絶えなかった。資産管理をしていた元マネージャーの手違いにより、遺産1億ドルを失い、経済的な困窮に陥ったこともあったといわれている。
4度の結婚もうまくいかなかった。1988年にミュージシャンのダニー・キーオと結婚し、長女ライリーと長男のベンジャミンを授かったが1994年に離婚。ダニーと別れた20日後には、あのマイケル・ジャクソンと電撃結婚し世間を驚かせた。けれども、その2年後にはマイケルとも破局した。
2000年には有名俳優のニコラス・ケイジと結婚したが、ほんの数か月で夫婦関係は破綻した。さらに2006年には、ミュージシャンのマイケル・ロックウッドと4度目の結婚。京都で挙式した2人は、双子の娘にも恵まれたが、2016年に離婚を申請。娘たちの養育をめぐる問題や、金銭面での折り合いが付かず、事態は泥沼化した。結局、離婚が成立したのは2021年だった。
「何年たっても悲しみは消えない」27歳で逝った息子への思い
2020年にはさらなる悲劇に見舞われた。息子のベンジャミンが、27歳という若さでこの世を去った。自宅バスルームでショットガンを口にくわえ、引き金を引いて死亡したとみられており、最終的に自殺と断定された。
エルヴィスにとても似ていると評判だったベンジャミンだが、その一方で常にプレスリー家の名声に強いプレッシャーを感じていたともいわれ、亡くなる前はドラッグやアルコール依存症に苦しんでいたという。
最愛の息子を失ったリサ・マリーは、たびたびベンジャミンへの想いをメディアやSNS上で吐露。昨年8月末には、親子のツーショット写真とともに、大切な人を失った悲しみについて自ら綴ったエッセイについて投稿した。そのエッセイは米誌『ピープル』に寄せたもので、「死は人生の一部。学ぶべきこと、理解すべきことがたくさんある。今のところ分かっているのは、大切な人を亡くした後、何年たっても悲しみが消えることはないということ」と綴っていた。これが、リサ・マリーの生前最後のインスタ投稿だった。
2番目の夫ニコラスは、追悼コメントを発表した際、突然の訃報に「打ちのめされている」としたうえで、こう綴った。
「彼女が息子のベンジャミンと再会したと信じることが、せめてもの慰めです」
リサ・マリーの告別式は22日、グレイスランドで執り行われる予定だという。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>