Entertainment
News

幼稚園でお友達のお尻に石を…「性加害者」になる子どもたち。何が起こっているのか

作者のゆっぺさんが、5歳の頃に同級生から受けた性被害の実体験を元に描いた漫画『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』が書籍化され、1月27日に発売されました。 『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』性暴力、いじめ、伝わらない性教育など、子どもを取り巻く問題に斬り込む漫画を多数収録した本書の書籍化にあたり、女子SPA!では公認心理師・臨床心理士で子どもの性被害の被害者支援をおこなっている鶴田信子さんに取材しました。 「小さな子どもたちの深刻な性被害がたくさん起こっているという現実を、大人の皆さんにも知ってほしい」と鶴田さんは語ります。私たちが知るべき、その実態とは? 【漫画試し読み第1回】⇒「おまた見せろや」5歳で同級生から受けた“性被害”。当時の気持ちを作者に聞いた<漫画> 【漫画試し読み第2回】⇒「裸の写真くれないと死ぬよ?」子どもから子どもへの“性被害”、深刻さは想像以上<漫画> 【関連記事】⇒5歳の子ども同士で起こった性被害。大反響の実話マンガ『なんで言わないの?』 【2023/2/28までAmazon限定特典あり】⇒『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』の詳細を見る

知らなかったではすまされない、「子ども同士の性被害」の実態

――子ども同士の性被害が起こりうるということを、実はゆっぺさんの漫画で初めて知りました。そんなに起きているものなのでしょうか? 鶴田信子さん(以下、鶴田)「子ども同士の性被害の実態について、データや調査で明らかにされていることは少ないです。でも、被害者支援の現場に寄せられる声としてはとても多いんです。 幼稚園・保育園に通う子どもがレイプ被害を受けることもあります。膣内性交に加え、男女を問わず、肛門性交や口腔性交(こうくうせいこう:口を使って行う性行為)といった被害も存在します。そして小学生以降になると、被害件数はさらに増えます」 ――マンガでは、ゆっぺさん自身が被害にあった他、クラスにはお尻に石や粘土を入れられた子もいました。同じ教室にいる同級生同士の被害が多いのでしょうか? 鶴田「加害者はじつに様々です。同級生だけでなく、上級生や近所のお兄ちゃん、お姉ちゃん、それにきょうだいであることも少なくありません。小学生から未就学児に対して行われたケースもあります」

子どもを被害者にも加害者にもしないために

――子どもが性加害者になる、という状況が想像できません。一体どうしてそのようなことが起こるのでしょうか? 鶴田「加害者である子どもが、何かしらの性暴力にさらされている可能性はあります。直接的な性被害に加え、親同士の性行為を故意にまたは偶然に見させられる、アダルトコンテンツを目にしてしまう、なども考えられます。子どもを過度な性的刺激にさらすことは子どもへの虐待にもなりえますので、大人は十分に注意する必要があります」 『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』――子どもを“被害者”にも“加害者”にもしないために、家庭ではどのようなことに気をつければよいでしょうか。 鶴田さん「小さな頃から、家庭内で性について話せる土台を作っておくことが大事です。性の話・性教育というとおおげさに感じますが、社会のルールを子どもに教える延長線上に、性教育もあると考えて、『自分の心と体はとても大切なものだよ』とまず話すことからおすすめします」 【Amazonで詳細を見る】⇒『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』
次のページ 
もしも自分の子どもが性被害にあってしまったら
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ